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数百円で座れる選択肢も 首都圏 脱「痛勤」最前線

日経トレンディ

2017/7/2

PIXTA
日経トレンディ

ぎゅうぎゅうの電車に押し込められ疲れ果てた挙句、痴漢と間違われる恐怖におびえる──。そんな「痛勤」から解放される方法がある。数百円を支払えば、確実に座れる通勤電車が増えているのだ。最前線の動きをまとめた。

■ロングシートから指定席に「変身」

一向に解消されない通勤ラッシュ。働き方改革が叫ばれてはいるものの、多くのビジネスパーソンは変わることなく、朝夕、身動きが取れない車内に押し込められながら職場と自宅を往復する毎日だ。最近は痴漢騒動も頻発し、心休まることがない。

しかし、ここへきて「救世主」が現れた。昼間は一般的なベンチタイプのロングシートなのに、朝と夜の通勤時間帯は進行方向を向いたクロスシートに変身する電車だ。2008年に東武東上線で「TJライナー」として運行がスタート。17年4月に西武池袋線で運行が始まり、18年春には京王線にもデビューする予定という。

昼間はロングシートで使う(東武鉄道「TJライナー」の写真)
ラッシュ時は座席を進行方向に向けて指定席に使う(東武鉄道「TJライナー」の写真)

通勤時間帯だけ観光特急のような座席配置になるのは、数百円の追加料金を支払えば必ず座れる座席指定制の列車として運行されるため。西武池袋線では「S-TRAIN」として、平日の朝と夜、埼玉県の所沢と東京メトロ有楽町線の豊洲の間を走っている。座席指定料金は510円。ほぼワンコインの出費で、満員電車から解放される。車内では公衆無線LANが使え、窓側には電源コンセントも設置されているので、スマートフォン(スマホ)でニュースやメールをチェックしながらゆったりと通勤できる。

西武鉄道の「S-TRAIN」
西武鉄道の「S-TRAIN」車内

西武鉄道では以前から、池袋から秩父方面へと向かう全席指定の特急「レッドアロー」を通勤時間帯にも運行している。帰宅時間帯は30分間隔で走るが、「ほぼ満席状態で、1本後の列車を待つ人も少なくない」(西武鉄道)という人気ぶりだ。

だが、レッドアローは池袋─所沢間がノンストップ。S-TRAINは保谷、石神井公園に停車し、地下鉄に乗り入れて、都心の飯田橋、有楽町、豊洲と乗り換えなしで結ぶ。今まで着席通勤ができなかった乗客にも、選択肢が加わったことになる。

現状は車両数が少なく、1編成で往復しているため、夜の運行は3時間おきと使いづらい。ただ4編成の追加導入が発表されており、運行本数は今後増えるとみられる。

●西武池袋線 
混雑率:159%(椎名町→池袋) 
着席列車運行本数 朝:10本 夜:18本 
指定料金:+400~510円

[注]朝の運行本数は池袋着9時台までの「レッドアロー」と「S-TRAIN」、夜の運行本数は池袋発17時以降の「レッドアロー」と「S-TRAIN」。特急料金は最長で飯能までのもの

■26年ぶりの新型特急を通勤に

17年春、通勤事情が大きく変わった路線がもう一つある。埼玉県の大宮から春日部、千葉県の柏を経由して船橋まで、東京近郊の東半分をぐるりと取り囲む東武野田線だ。4月から初の全席指定制の特急列車「アーバンパークライナー」が走り始めた。帰宅客を狙い、平日の夜だけ運行される。

東武野田線の「アーバンパークライナー」

野田線沿線では宅地開発が進むものの、都心からは乗り換えが必要で、所要時間も1時間程度と分が悪い。アーバンパークライナーは東武伊勢崎線の浅草、北千住から直通運転。乗り換えなしで座って帰れる点をアピールする。

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