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数百円で座れる選択肢も 首都圏 脱「痛勤」最前線

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日経トレンディ

ぎゅうぎゅうの電車に押し込められ疲れ果てた挙句、痴漢と間違われる恐怖におびえる──。そんな「痛勤」から解放される方法がある。数百円を支払えば、確実に座れる通勤電車が増えているのだ。最前線の動きをまとめた。

ロングシートから指定席に「変身」

一向に解消されない通勤ラッシュ。働き方改革が叫ばれてはいるものの、多くのビジネスパーソンは変わることなく、朝夕、身動きが取れない車内に押し込められながら職場と自宅を往復する毎日だ。最近は痴漢騒動も頻発し、心休まることがない。

しかし、ここへきて「救世主」が現れた。昼間は一般的なベンチタイプのロングシートなのに、朝と夜の通勤時間帯は進行方向を向いたクロスシートに変身する電車だ。2008年に東武東上線で「TJライナー」として運行がスタート。17年4月に西武池袋線で運行が始まり、18年春には京王線にもデビューする予定という。

通勤時間帯だけ観光特急のような座席配置になるのは、数百円の追加料金を支払えば必ず座れる座席指定制の列車として運行されるため。西武池袋線では「S-TRAIN」として、平日の朝と夜、埼玉県の所沢と東京メトロ有楽町線の豊洲の間を走っている。座席指定料金は510円。ほぼワンコインの出費で、満員電車から解放される。車内では公衆無線LANが使え、窓側には電源コンセントも設置されているので、スマートフォン(スマホ)でニュースやメールをチェックしながらゆったりと通勤できる。

西武鉄道では以前から、池袋から秩父方面へと向かう全席指定の特急「レッドアロー」を通勤時間帯にも運行している。帰宅時間帯は30分間隔で走るが、「ほぼ満席状態で、1本後の列車を待つ人も少なくない」(西武鉄道)という人気ぶりだ。

だが、レッドアローは池袋─所沢間がノンストップ。S-TRAINは保谷、石神井公園に停車し、地下鉄に乗り入れて、都心の飯田橋、有楽町、豊洲と乗り換えなしで結ぶ。今まで着席通勤ができなかった乗客にも、選択肢が加わったことになる。

現状は車両数が少なく、1編成で往復しているため、夜の運行は3時間おきと使いづらい。ただ4編成の追加導入が発表されており、運行本数は今後増えるとみられる。

●西武池袋線 
混雑率:159%(椎名町→池袋) 
着席列車運行本数 朝:10本 夜:18本 
指定料金:+400~510円

[注]朝の運行本数は池袋着9時台までの「レッドアロー」と「S-TRAIN」、夜の運行本数は池袋発17時以降の「レッドアロー」と「S-TRAIN」。特急料金は最長で飯能までのもの

26年ぶりの新型特急を通勤に

17年春、通勤事情が大きく変わった路線がもう一つある。埼玉県の大宮から春日部、千葉県の柏を経由して船橋まで、東京近郊の東半分をぐるりと取り囲む東武野田線だ。4月から初の全席指定制の特急列車「アーバンパークライナー」が走り始めた。帰宅客を狙い、平日の夜だけ運行される。

野田線沿線では宅地開発が進むものの、都心からは乗り換えが必要で、所要時間も1時間程度と分が悪い。アーバンパークライナーは東武伊勢崎線の浅草、北千住から直通運転。乗り換えなしで座って帰れる点をアピールする。

使う車両は、新型車両「リバティ」。東武鉄道では26年ぶりとなる特急車両だ。今までの特急車両は日光・鬼怒川への観光客を主眼に、個室や車内販売カウンターを設置していたが、リバティは座席主体。全席にコンセントやパソコン対応の大型テーブルを設けるなど、ビジネスパーソンを意識した設備を充実させている。

4月のダイヤ改正では、もう一つのトピックがあった。朝8時18分に浅草に到着する特急列車が新設されたのだ。8時台はラッシュのピーク時間帯。定員が約400人と少ない特急列車を走らせると通常の列車がより混雑する恐れがあり、他社で特急列車を走らせているケースは少ない。しかし東武伊勢崎線には私鉄最長となる18.9kmの複々線区間があり、線路容量にやや余裕がある。「座って通勤できる列車があることを強みの一つにしていきたい」(東武鉄道)と意気込む。

●東武伊勢崎線・野田線 
混雑率:150%(小菅→北千住) 
着席列車運行本数 朝:13本 夜:25本 
特急料金:+310~510円

[注]朝の運行本数は浅草着9時台まで、夜の運行本数は浅草発17時以降。大宮発も含む。JR直通特急は除く。特急料金は最長で春日部までのもの

鉄道各社が着席できる通勤列車に力を入れる背景には、激しさを増す路線間競争がある。これまでは増え続ける乗客をいかに効率的にさばくかが重要だったが、今後、少子高齢化の波は確実にやってくる。沿線への人口流入を維持するためには、通勤の質を高めることが重要になりつつあるのだ。1人当たり数百円とはいえ、増収になるのも見逃せない点だ。

18年春の複々線化にらみプロモーション

競争が激化するなか、危機感を強めているのが小田急電鉄。現状、混雑率は191%(世田谷代田→下北沢間。国土交通省調べ)と首都圏屈指の高さで、「混んでいて、スピードも遅い」というイメージが定着している。

18年春に悲願だった複々線化工事が完成し、混雑率は160%程度まで緩和される予定。しかしそれを待たずに、17年初めから「HELLO NEW ODAKYU」というプロモーションを、小田急沿線だけでなく、沿線外でも大々的に始めた。複々線化後の快適性を伝え、小田急線沿線にもう一度目を向けてもらおうというのが狙い。「今まで並行する路線を使っていた人にも乗ってもらいたい」(小田急電鉄)

複々線化後の新ダイヤの骨子もすでに発表済み。朝の通勤時間帯では一般の列車はもちろん、全席指定の特急「ロマンスカー」も大幅に増発される。「7時台から8時台に新宿、大手町に到着する列車を、現在の3本から7本に増やす」(小田急電鉄)

現在のロマンスカーのダイヤでは、新宿着7時34分の列車の後、新宿着9時16分まで空白がある。さすがにピーク時間帯に運行するのは難しいというものの、8時台後半など、より使いやすい時間帯でも、座って通勤できるようになりそうだ。

●小田急線 
混雑率:191%(世田谷代田→下北沢) 
着席列車運行本数 朝:10本 夜:23本 
特急料金:+300~890円

[注]朝の運行本数は新宿、大手町着9時台までの特急ロマンスカーと「メトロさがみ」、夜の運行本数は新宿、大手町発18時以降の「ホームウェイ」「メトロホームウェイ」。特急料金は最長で小田原までのもの

増発困難で時差通勤やバス頼り

小田急線が脱「痛勤」に向かう一方、並行して走る東急田園都市線は、混雑緩和に悪戦苦闘している。良好な沿線イメージで人口の流入が続き、混雑率は184%(池尻大橋→渋谷間。国交省調べ)と、小田急線とそう変わらない。

「朝ラッシュ時間帯(渋谷着7時50分~8時50分)の運行本数は限界に達しており、これ以上増発する余地がない」(東京急行電鉄)。そこで、あの手この手で混雑率の分散を図っている。17年6月末までは、朝7時までに改札口を通過すると50円相当のポイントを付与するキャンペーンを実施していた。最大で運賃の約4割を還元する大盤振る舞いだ。1日当たり1万人程度が対象になったという。

また、最も混雑する池尻大橋─渋谷間の定期券を持つ乗客に、三軒茶屋─渋谷間で並行して走る東急バスの乗車券を配布する取り組みも実施。オフィスがバス停の近くにある人などに、バスへの乗り換えを促している。東急バスでは横浜・川崎から渋谷まで走る通勤高速バスも運行。これなら着席可能だ。

●東急田園都市線 
混雑率:184%(池尻大橋→渋谷) 
通勤高速バス運行本数 朝:5本 夜:なし 
バス運賃:+620円 

[注]運賃はICカード利用時

座れる列車という選択肢があるか否かで、住む場所を選ぶ──。そんな時代が来るかもしれない。

(日経トレンディ 佐藤嘉彦)

[日経トレンディ2017年7月号の記事を再構成]

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