「コスパ最高」とも 中高一貫の小石川、未来人を育成都立小石川中等教育学校の梅原章司校長

すでに都立中高一貫校は都内に10校あるが、なぜ小石川はこれほど人気が高いのか。

難関大の現役合格率は日比谷並み

都立小石川中等教育学校の図書館

一つは東大など難関大学への進学実績が年々上昇しているからだ。13年は東大合格者は5人だったが、17年は14人、現役合格者は11人で過去最高を更新した。さらに東大に京都大学、一橋大学、東京工業大学の難関4大学と国公立大学医学部医学科の現役合格者数を単純に合算すると、31人となる。同年の卒業生は154人のため、5人に1人の割合になる。対して東大合格者数で45人と全国の公立高でトップの日比谷高校。17年の東大など4大学と国公立医学部医学科の現役合格者の単純合算数は56人。卒業生は321人。難関大の現役合格率では小石川は日比谷に劣っていない。

中学入試で人気が高い小石川。ただ、入試の傾向と対策は有名私立中学とは全く異なる。まず入試は学力検査とは呼ばず、「適性検査」という。国算理社という入試科目のスタイルではなく、適性検査1、2、3という分類法で300点満点で算定。小学校時代の成績なども勘案して合否を決める。

適性検査1は国語に相当する問題だが、2や3は算数や理社の素養をベースにして、論理的な思考力や表現力を問う。知識など暗記ではなく、自身の意見を書かせる質問が多い。「日ごろから考える、書くという習慣がないとダメですね」(梅原校長)と話す。一方で「入学後に学力の差がつきます。都立高の進学重点校のように学力が一定以上の集団というわけではなく、多様な人材が集まっています」(土方副校長)という。

梅原校長は「本校は難関大学の進学実績を上げるためだけの受験校ではない」と強調する。小石川の特徴は「教養」を核に「理数教育」と「国際理解教育」の3点を重視し、将来のリーダーを育成するとうたっていることだ。クラスを理系と文系に分けず、すべての生徒がすべての教科を学ぶ仕組みとなっている。さらに「小石川フィロソフィー」という教養の独自科目を6年間履修する。3、4年生の時には「古事記を読み解く」「自然科学・探求活動の基礎」など多様な講座を設定し、教師が独自にプログラムをつくり、生徒とともに探求して、意見交換しながら論文を作成する。

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