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牧野正幸、人材育成のスゴ技

2017/7/2

牧野正幸、人材育成のスゴ技

当社では、一緒に働いている複数の同僚に「その人が飛び抜けて優秀かどうか」を聞き、その評価に最も重きを置くことにしました。多くの人がそう評価したら、報酬も役職も上げる仕組みです。

「組織の力」、犠牲にしても

しかし、このやり方には大きな欠点があります。人事評価に関する上司の権限が小さくなり、組織の結束が弱くなりかねないのです。個人のパフォーマンスはよくなったとしても、組織のことは考えないようになりがちです。組織として、どう力を発揮するかを考える人はマネジャーくらいしかいなくなり、トップからみても非常にマネジメントしにくい会社になってしまいます。

当社の組織としてのパフォーマンスは、管理型の組織に比べて高いでしょうか。私は、そうは思っていません。イノベーションと組織力は「あちらを立てれば、こちらが立たない」というトレードオフの関係です。私は組織力より、ずばぬけて優秀な人を採るほうを優先したかったのです。

イノベーションより組織を優先すれば、どうしても変革のスピードが落ちてしまいます。だから個人の能力を優先し、優遇しているのです。上司や役員は、彼らのアイデアを実現できるよう協力します。当社はそういう仕組みで動いています。

牧野正幸
 建設会社などを経て1996年にワークスアプリケーションズを設立。2017年2月まで、中央教育審議会委員も務めた。兵庫県出身。54歳。

(松本千恵)

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