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牧野正幸、人材育成のスゴ技

2017/7/2

牧野正幸、人材育成のスゴ技

10人採用して9人は辞めたが、残りの1人が優秀で、何十年かして社長になった――。これで採用した人事の担当者が評価されることはありません。その頃には既に担当者は会社にいないからです。それゆえ人事はリスク回避を優先します。「変なことを言わない」「あいさつがきちんとできる」といった暗黙の条件があって、そちらを重く見るのです。

牧野氏は「有能な人の扱いは本当に難しい」と話す

重要なのは、会社が求める人材像をはっきりさせることです。私の知る限り、「問題解決能力」と「ポジティブ思考」に極めて優れ、協調性なども十分備えている人間は存在しません。彼らはかなり変わっているし、自己主張の強い人間が多いと思います。「それでも問題解決能力の高い人材が必要だ」というなら、評価や考課を担当する人事部に任せないで、独立した専任の採用担当を任命するべきなのです。当社では、こうした専任の担当を置くとともに現場の社員も採用活動を行う形で、必要な人材を採るようにしています。

優秀ならワガママでもいい

当社でも、有能な人の扱いは本当に難しいです。彼らは頭も要領もいいので、周囲のやり方を否定したり、キャリアの時間軸がほかと違ったりします。何より非常にワガママです。「昇進、昇格は順番だから1、2年我慢して」と言ったら、すぐやめてしまう。ですがイノベーションを起こしたいなら、ワガママも許容し、才能を育てる必要があるのです。

能力が高くても、ちょっと変わった人を的確に評価できる上司は多くありません。特に自分が凡庸な場合、そういう部下を低く評価しがちです。私は、上司の評価能力に頼った人材育成法では、有能な人材を潰す可能性があると考えています。

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