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「たいした材料じゃない」 安易な信用売りで冷や汗 株の失敗から得た教訓(下)

日経マネー

2017/9/11

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 短期間に失敗を繰り返して、「随分と肝を冷やしました」と語るのは、大学生投資家の堂上尚裕さん(仮名)。その失敗とは、信用取引での安易な売り建てだ。

 2016年6月14日、新日本建物(JQ・8893)が急に動意づき、180円台から一時、230円まで上昇した。

 「株式情報サイトのリポートが出てはいましたが、当日にそこまで急騰する理由は見当たらず、私にはツイッターのあおりで『イナゴ』が集まっているだけに見えました」と堂上さん。「中身もないのに上がるな!」と半ばイラッとしながら、200円近辺で信用売りしたのだという。

 しかし株価は上昇。ハラハラしながら見ていた堂上さんは、2日後にようやく下げたところで、売り建てたのと同値で撤退した。


 一息ついた堂上さん。だが、反省の間もなく失敗を重ねてしまう。

 同22日、新製品を発表したぷらっとホーム(東2.6836)が2800円台から急騰。この最中にも堂上さんは「大した材料ではないのに」と考え、ネット証券の1日信用取引サービスを使って3000円近辺で売り建てた。

 しかし結果は3420円のストップ高。「思考停止状態で、損切りもできませんでした」。1日信用は翌営業日の寄り付きで決済することになる。翌23日は3140円と下げて始まったため、覚悟していたよりも損失額は少なかったが、「22日の夜はとても憂鬱な気分でした」。感情をトレードに持ち込まないこと、自分の間違いを早めに認めることの重要性を痛感した、と堂上さんは言う。

【私、こんな失敗しました……】

 このたび日経マネー誌が実施した「個人投資家調査」には、数多くの投資家の失敗談が寄せられた。アンケートの回答の中からその一部を紹介しよう。

・決算発表を受けて株価が下落した銘柄を購入したが、さらに大きく下げた。焦らず、割安な水準になるまで待てばよかった。(大阪府・20代・男性)

・他人のブログを見て何となく買った銘柄が大暴落した。(愛知県・40代・男性)

・日本通信(東1・9424)の株で3億円近い含み益が一時あったが、売り時を逃したまま持ち続け、含み益が10分の1以下に……。(兵庫県・30代・男性)

・トランプ相場に売り向かい、損切りできずに踏み上げられて、資産の4割くらいを失った。(神奈川県・20代・男性)

・含み損の株が急騰したので早々に売ったが、その後も連日ストップ高に。(兵庫県・40代・女性)

・家族内のけんかで心理的に乱れ、トレードにも悪影響が出た。(茨城県・50代・男性)

(日経マネー 小谷真幸)

[日経マネー2017年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2017年10月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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