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津田大介もその気に 360度カメラで伝える臨場感

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NIKKEI STYLE

僕はリコーの360度カメラ「THETA S」を取材で使っている。今回はこのジャンルの可能性をさらに掘り下げてみようと、サムスンの360度カメラ「Galaxy Gear 360」とスマートフォン(スマホ)の「Galaxy S7 edge」をセットで試用してみた。その結果、手持ちのXperiaも合わせてGalaxyに買い替えてしまおうかと思うほど素晴らしかった。

高解像度化で段違いの臨場感

ポイントはまず高解像度であることだ。THETAの解像度が1920×1080ピクセルであるのに対し、試用したGear 360は3840×1920ピクセルで、今年発売の新型では4K(4096×2048ピクセル)に達している。THETAも年内発売がアナウンスされている新型で4Kに対応するという。

これだけの高解像度になる意味合いは大きい。一番違いが顕著になるのはVRのヘッドセットと一緒に使うときだ。同じサムスンの「Gear VR」や「Oculus Rift」、あるいはAndroidだったら「Google Cardboard」などと組み合わせることで真価を発揮する。例えば、アウトドアや登山が好きな人にとってもいい選択肢だ。頭の上にカメラを装着するなどして360度動画を撮影しておき、あとでVRヘッドセットを装着して「ああ、こうだったよな」と再体験することもできるし、家族や友達に見せて「こんなところに行ってきたんだよ」と伝えることもできる。

THETAもGear 360もiOSでも使える。スマホとの組み合わせは導入のハードルが低いし、高解像度化したことで普及が進むきっかけになると思う。

「撮る→加工する→楽しむ」が簡単に

今まで360度動画は撮るのも加工するのも大変だった。プロ用のLadybugという200万円くらいする機材があるが、普通の人はとても手が出ないし、安価に楽しむビューワー環境もなかった。それが今では状況が様変わりした。

Gear 360がよく考えられているなと思うのは、撮影したファイルをWi-Fi経由でGalaxyに転送して、アプリで簡単に360度動画を作成できるようにしたことだ。Galaxyを日常的に使っている人にとっては、撮る、加工する、楽しむという流れができた。このラインを作ったという点が素晴らしい。10万円を下回る追加の出費でGear 360とGear VRを買い足し、臨場感のある360度動画の設備一式を手に入れられる。

サムスンがGear VRを出したとき、正直なところ僕はあまり興味がなかった。VRでゲームをやったりする暇もないし、必要性を感じなかったのだ。しかし、このGear 360とVRまでを組み合わせるインパクトは大きい。THETA Sを買い替えるだけでなく、AndroidのスマホまでXperiaからGalaxyに乗り換えてしまおうかという気になったのはそのためだ。

VR報道という新しいジャーナリズム

このジャンルはジャーナリズムとしても面白い。実際、New York TimesはVRを用いた「The Daily 360」というチャンネルを始めていて、シリアの難民キャンプなどを360度カメラで撮影して見せるといった報道をやっている。アメリカではVRを使ったRYOT(ライオット)というジャーナリズムのサイトも出てきている。

僕は3月に福島県を訪ねて、避難指示解除を控えた4町村で360度動画を撮影してきた。震災の1カ月後くらいに初めて東北の被災地を取材したときのことを思い返すと、テクノロジーの進化の速さに驚かされる。当時、津波に襲われた地域では、360度ずーっと地平線までがれき以外に何もないという状況だった。この光景は動画でも写真でも伝わらないし、どうやったらうまく表現できるのだろうと思ったものだが、360度動画があればあの荒涼とした感じを一番わかりやすく伝えられただろう。

VR映像を見たことがない人のために、都内のビル屋上にのぼり、Gear 360で撮影してみた。次に紹介するのは、撮影した動画ファイルをYouTubeにアップロードしてみたものをキャプチャーしたものだ。この動画キャプチャーだけでもある程度の雰囲気はわかるのではないか。ただ、Gear VRで見たときのインパクトにはまったく及ばない。

VRはあらゆる業界にニーズがある

エンターテインメント、ジャーナリズム以外の用途でもさまざまな可能性がある。不動産業や観光業、美術館など、あらゆる業界でニーズが高まるのではないだろうか。障害があって動けない人や寝たきりになってしまった人にバーチャルな旅を体験してもらうとか、ひょっとするとVRを使って認知症の進行を遅らせるといった用途もあると思う。VRは脳に対して何かしらの刺激を与えているので、そういう研究が進んでいったら面白い。

ビジネスチャンスという意味では今後も拡大が予想される。リコーはTHETAの事業の拡大を表明しているし、サムスンも新製品を投入してきた。やはりどちらも「このジャンルが来そうだ」と感じているのだろう。リコーとサムスン以外のメーカーも参入してきたらさらに状況が変わり、VRの本格的な普及期に入っていくのではないかと思う。

津田大介
 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。

(編集協力 島田恵寿=コンテクスト、写真 佐藤久)

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