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「TOKYO土産」定番つかめ 外国人に刺さる勘所は? NYにならい「キストーキョー」ブランド投入も

2017/7/3 日経MJ

新しい東京土産を目指す「キストーキョー」の商品(東京都中央区)

 東京五輪・パラリンピックまであと3年。国内外から観光客が集まる世紀の祭典は東京をPRする絶好のチャンスだ。でもちょっと待てよ、東京に訪れたお客さんに、旅の記念として持って帰ってもらうものは……。あれ、よく考えたらインパクトのある東京土産がまだまだ少ない。新たな「TOKYO土産」の定番を形作ろうと走り出した現場を追った。

カプセル玩具「コップのフチ子」の新シリーズ。柔道着を着用したフチ子など東京五輪を意識した
江戸川区の職人が若手デザイナーと組んで、扇子などを製作。「&TOKYO」のロゴを入れた
中小調味料メーカー5社は、しょうゆやソースなど自社製品をセットにした「東京さしすせそ」を開発した

 2020年、東京五輪・パラリンピックが開催中の競技場。観客席から声援を送るのは、TOKYOの文字とキスマークが描かれたTシャツを着た人たち――。

 今、日本でこんな光景を夢見るプロジェクトが動き出した。その名も「キストーキョー」。「東京にキスをしよう」をテーマに、観光情報を発信する予定で、まずキスマークのロゴグッズも作成した。目指すのはニューヨーク土産の定番として世界中から愛される「I LOVE NY」(LOVEはハートマーク、以下同様)ブランドだ。

 挨拶代わりにキスをする外国人とは違い、「日本人はキスが苦手だが、それも日本人ならでは」。企画を進めるKISS TOKYO(東京・中央)の秋山真哉代表はテーマにした理由を話す。秋山代表はきめ細かな芸で有名なタレントのいとこで、別会社でグッズ販売などを手掛ける。

 ロゴのデザインは数々の広告を手がける千原徹也さんによるもの。第1弾としてTシャツなどのネット販売を始めた。ロゴはライセンス契約を結んで使用でき、すでにメーカーとのコラボ商品の企画も動きだしている。「お土産はその時の『思い』を持って帰るためのツール。様々なアイテムを展開して、キストーキョーショップを作るのが目標」と秋山代表は話す。

 土産といえば、今までは大手や一企業の取り組みにとどまっているケースがほとんど。世界に発信するのは至難の業だ。ロゴによって皆でスクラムを組めば、多彩な商品でアピールでき、存在感も高められる。五輪・パラリンピックを機に、そんな連携の輪が広がりつつある。

■大丸東京店は独自ブランド

 「おいしいかりんとうは地元にもあるけれど、こんなおしゃれな味なんてないから。東京はさすがね」。大丸東京店(東京・千代田)の和洋菓子売り場。孫に会いに上京していた大分市の女性(63)が購入したのは、「麻布かりんと」の「トリュフかりんと」(540円)だ。

大丸東京店の新しい東京土産ブランド「.TOKYO」(東京都千代田区)

 そのパッケージには「.TOKYO」(ドットトーキョー)の文字。東京駅直結の同店は、土産を求めに多くの人が訪れるが、「まだまだ分かりやすい東京土産が少ない」(宗森耕二マネジャー)とここでもプロジェクトが動き出した。目指すのは「3年後、5年後の未来の東京土産の定番」。出店するメーカーと共同開発し、ドットトーキョーシリーズとして販売する。

 開発のポイントは「東京らしさ。洗練されていて都会的であること」。何度も試作を重ねて、現在販売にこぎ着けたのは6商品。既に定番品と比べ、1.5~2倍のペースで売れている。年内には15商品まで広げる。

 東京駅から電車で1時間半弱。東京都青梅市のタオルメーカー、ホットマンに行くと、東京都が推進する「&TOKYO」のロゴが刻まれたタオルが並べられていた。同社は極めて吸水性が高いタオルが売り。江戸時代に盛んだった織物「青梅縞」をモチーフにした柄も取り入れ、東京生まれの土産品として売り込む。価格はバスタオルで4000円前後で、都内の百貨店などで販売している。

 東京五輪・パラリンピックが開かれるのは暑い夏の真っただ中。選手や観客にタオルはもってこいだ。坂本将之社長は「(ロゴを付けて)東京にもこんなタオルメーカーがあることを発信したい」と期待する。

 「良い土産」を作っただけでは、定番にはならない。「売れる土産」に育てる工夫も必要だ。

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