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31歳で2.6億円 試行錯誤5年、中小型株投資が開花 ここが違う! 勝ち続ける億万投資家の素顔(3)

日経マネー

2017/8/7

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 「地方に住んでいても不利になることはなく、都市に住んでいる人と同じ土俵で勝負できる」

 山里のわらしべ長者さん(仮名)は、株式投資の魅力をこう語る。現在は、信越地方の生まれ故郷で資格を生かした仕事をしながら株を売買。31歳という若さで、2016年末時点で資産を2億5400万円まで増やした。資産は11年末時点では約390万円だった。5年で約65倍に増やせたのは、試行錯誤を経て11年に投資手法を確立したことが大きい。

 株に興味を持ち始めたのは、東京の大学に在学中だった05年。ライブドアと堀江貴文社長(当時)が世間の脚光を浴びていた。「資本主義のダイナミズムやマネーのパワーに魅せられ、自分でも株を売買したいと強く思った」

■低PBR投資で行き詰まる

 翌06年。20歳になった時に証券会社に口座を開く。大学在学中はデイトレードや数日単位のスイングトレードといった短期売買を手掛けたが、ほとんど利益を上げられなかった。

 09年3月に大学を卒業。故郷に戻って今の仕事を始めた。その傍ら、前年に起きたリーマン・ショックで軒並み株価が下がっていたことから、日経平均株価に採用されている著名大企業の株を対象に売買した。しかし、この投資でも成果が上がらない。そこで、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割っている銘柄を、証券会社のツールを使ってスクリーニングして購入する方法に切り替えた。

 PBRは、株価を1株当たりの純資産で除して算出する株価指標。株主には株式会社が解散した場合に、持ち株数に応じて会社の資産を分配してもらう権利がある。PBRが1倍を下回れば、会社が解散した場合に受け取る資産の分配が株価、すなわち投資額を上回る。そのためPBRが1倍未満であれば、理論上は会社が存続するよりも解散して資産の分配を受け取った方が株主には得になる。このことから、PBR1倍は企業の「解散価値」と呼ばれる。

 解散した方がいいほど株価が低ければ、さらに大きくは下がらず、むしろ上がるはずだ。こうした思惑で購入して持ち続けたが、一向に株価は上がらなかった。

 ここで再び投資法を見直す。複数の銘柄の個人大株主として知られる片山晃さんや、人気ブロガーのぱりてきさすさん(ハンドルネーム)、ダル♪さん(同)のブログを読み込み、彼らの投資の考え方や手法を勉強。11年から、中小型の成長株を購入して大幅な株価の上昇を狙う投資法を始めた。

イラスト:ヤギワタル

 まず、(1)多角化しておらず、主力事業が明確(2)その事業の内容が自分でも理解できる(3)景気循環などで業績が大きく変動せず、安定成長が期待できる──の3つを投資対象の企業の条件にする。こうした条件に該当する企業の中で、時価総額が800億円以下で、売上高とEPS(1株当たり純利益)が年率25%以上で増えている会社の株を購入する。

 購入に当たっては、なるべく相場全体が下がって株価が割安になっている時に一気に買う。買値より上値でも下値でも買い増しはしない。上値で買い増さないのは、平均取得単価を高くしないため。ナンピン買いをしないのは、過去にそうして損切りに終わったことが多かったからだ。

 購入する際に、現時点の増加率が7年後まで続くと仮定して、7年後のEPSの推計値を算出する。これに許容PER(株価収益率)として便宜的に採用している20倍を乗じて、目標株価を計算する。原則、目標株価に達したら少しずつ売る。この他、買値から20%下落したら損切りする。

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