割安株投資で資産5億5000万円 リーマン大敗も克服ここが違う! 勝ち続ける億万投資家の素顔(2)

日経マネー

だが、当時はメガバンクも破綻が取り沙汰されており、購入には二の足を踏む。そこで耳にしたのが、りそなホールディングス(東1・8308)の破綻を回避するために、国が公的資金を注入して実質国有化するというニュースだった。「りそなを救済するなら、国がメガバンクを破綻させることは絶対にない」と確信し、信用取引も使って、みずほやグループ企業の新光証券(現みずほ証券)、みずほインベスターズ証券(同)の株を買いまくった。

「証券会社の株は1カ月で2倍になった時点で売却し、それで手にした現金でみずほの株を買い増しした」。これらの売買が寄与し、えすさんの株の資産は04年5月に1億円を超えた。

イラスト:ヤギワタル

信頼できない会社は対象外

この大勝負の後、えすさんは中小型株を中心に売買するようになる。「中小型株だけにこだわっているわけではないが、中小型株には割安な銘柄が多く、割安さの解消に伴って大きく値上がりするチャンスも多い」

さらに、大企業の次に勤めたベンチャー企業でIR(投資家向け広報)の仕事に携わった経験に言及し、次のようにも指摘する。

「IRの仕事を通して、機関投資家が大型株しか見ていないことや大型株の分析では資産運用のプロには勝てないことを実感した。同時に、機関投資家やプロが見ていない中小型株であれば、個人投資家の勝機も大きいと考えた」

中小型株の投資では、業績の拡大が見込まれ、株価が数年のうちに4~5倍になる潜在的な成長力のある銘柄を購入する。「中小型の成長株には、時価総額50億円の会社が4倍の200億円に、時価総額200億円の会社が5倍の1000億円にというように、成長が次の段階に入るプロセスがある。その成長過程に投資するイメージだ」。今は相場全体が上がっているので、下図のように狙う成長過程の水準を引き上げているという。

もっとも、いくら業績の拡大が見込まれていても、株価が割安ではない銘柄は買わない。割安さの判定には、PER(株価収益率)を用いるが、その算出の仕方は独特だ。前期の実績や今期の予想で算出したEPS(1株当たり純利益)は使わない。利益の増加率を基にはじいた数年後の純利益の推計値でEPSを計算。それで株価を除して、将来の収益で見たPERを算出し、割安かどうかを判定する。

気になった会社を調べるだけ

また、単一事業の会社など、業績拡大の原動力となっている主力事業が明確で、その内容が理解できる会社を投資対象にする。さらに、業績が伸びていても、経営陣に信頼を置けない会社の株は購入しない。これは中小型株だけでなく、大型株でも同じだ。

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