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夢の車「ダンボルギーニ」 被災地に色彩を取り戻す 今野梱包社長 今野英樹氏(下)

2017/6/29

災害時に避難所で使える間仕切りや仮設家具などの開発も手がける

 勝手に作ってしまったため、本家・ランボルギーニ社から怒られることも覚悟していましたが、国内の正規ディーラーから「応援したい」との連絡がありました。そこで、JR女川駅前にある「シーパルピア女川」がオープンする際、自社のショップにダンボルギーニを置き、少し離れた場所にディーラーの協力を得て、本物のランボルギーニを展示しました。2つの間を、お客さんに歩いてもらおうと思いまして。

 本物のランボルギーニを見たのは、それが初めてのことでした。いざ実物と見比べたら、「ちょっと違うな」という部分が気になって。ディティールやデザインを見直しながら、2号機の製作に着手。その2号機は16年12月、東京ビッグサイトで開かれた国内最大級の環境関連見本市「エコプロ2016」で展示しました。

■東北に「夢ある事業」を作りたい

 これはよく言うんですが、若い人たちが地方から都会へと出て行くのは、震災のせいじゃないんです。大人が夢を語れなくなったことが、一番の原因だと思っています。だから私は、この東北の地に「夢ある事業」をつくりたい。

 震災後、娘と「お前が高校在学中に、最高にかっこいい車で送り迎えしてやるからな」と約束しました。2号機が完成した後、その約束を思い出し、最大限の無理をして本物の白いランボルギーニを買いました。高校最後の卒業式の日、娘を本物に乗せて走りました。

 本物のランボルギーニはその後、「ダンボルギーニ3号機」と称してテーマカラーのピンク色にラッピングし、女川のショップやイベントなどで展示しています。娘のために購入したランボルギーニですが、今では地域のため、次世代のために活躍してくれています。

今野英樹
 1972年、宮城県生まれ。経理専門学校を経て自動車ディーラーに就職。22歳で父親の経営する今野梱包入社。2010年2月社長就任。08年ごろから強化段ボールを使い、災害時に使える間仕切りや仮設家具などを開発。東日本大震災後、段ボール製のスーパーカー「ダンボルギーニ」が話題を呼ぶ。15年、強化段ボール製の展示什器(じゅうき)でグッドデザイン賞。

(ライター 曲沼 美恵)

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