検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

5分の「夜準備」が朝30分のゆとりに 高木ゑみさん

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経DUAL

料理家であり、おもてなしプランナーでもある高木ゑみさん。主宰する「ガルシェフおもてなし料理塾」は生徒数800人を超え、予約のとれない料理教室として知られています。少人数制の1回完結型で、そのスタイルはマダムの笑い声が漂うような優雅なお料理サロン……ではなく、高木さん自らが全力で料理に向かい、生徒さんたちが必死にメモをとる"熱血料理塾"です。

そんな独自のスタイルが注目を集める高木さんの夢は「小料理屋の女将さんになること」。そのために、仕事と家庭を両立し、さらに料理の腕を磨く時間を確保したい。そこで、生み出されたのが効率的かつ、気持ちのモヤモヤがたまらない家事の進め方です。例えば「夜の5分が朝の30分を生む」「お風呂タイムは洗濯タイム」「"生きるための料理"と"ゆとり料理"を使い分ける」など、自著『ためない生活。』(主婦と生活社)でも披露される、働くママが毎日を楽しく気持ちよく過ごすための工夫の数々を教えていただきました。

高木ゑみ 料理家、おもてなしプランナー、「ガルシェフおもてなし料理塾」主宰。1985年、東京都出身。主宰する料理教室は、豊富なノウハウが詰まった独自の熱血レッスンスタイルが人気。企業向けにレシピ開発や出張料理、離乳食講座も手掛ける

たった5分のがんばりで朝のバタバタを解消

――高木さんの1日のスタートは早いと聞きました。

毎朝だいたい4時起きです。最近はアラームなしでも目が覚めるようになりましたね。前の晩にお酒を飲んでいたとしても、同じです。シャワーを浴びてお化粧をして、メールの返信などパソコンの仕事をこなし、キッチンに立って、その後は掃除。7時になったらお掃除ロボットのスイッチをオンにします。

――余裕をもって、気持ちよく朝を過ごすために高木さんが心がけている「夜の5分が朝の30分を生む」は、名言です。

翌日にやることが分かっていたら、前日の夜に5分だけと決めてやっておく"夜準備"ですね。お弁当の下ごしらえだとか、洗濯物を夜モードでスタートさせておくとか。朝だと気持ちが焦ってバタバタしてしまい30分かかってしまう作業も、夜のうちならゆとりがあるせいか5分ほどで準備できてしまいます。たった5分のがんばりが、翌朝の気持ちの余裕にもつながりますよね。

私の場合は身支度に一番時間がかかるので、服を決めるだけでなく、合わせるバッグやその中身まで準備しておきます。着るものについては、あらかじめ1週間分のコーディネイトをまとめて考えちゃいます。そのために、トルソー(マネキン人形の一種)も買いました(笑)。全身のもので、ネットで5000円くらいだったかな? 1日分ずつトルソーに着せて、バッグはもちろん、靴やアクセサリーも合わせて、写真に撮る。そして、着る前日に再びトルソーに着せて、シワなど気になるところはハンディスチーマーで整えておくんです。そうすれば、当日はそのコーディネイトを身に着けるだけ。出かける前にバタバタせずにすみます。子どもの洋服については、習い事別でセットにしています。

朝の忙しい時間を効率よく動くために、朝食に使う食材などもセットにしてますね。最近、家族の朝ごはんのブームが「塩むすび」なんですが、よく考えたら毎回お塩をわざわざ取りに行っていたことに気づいて。早速おにぎり用のお塩を決めて、いつもの朝食セットに加えました。最近よく使っているものを常備しているセットに追加したり、逆に使わないものがないか見直したり……ということは、月1回はやるようにしています。引き出しの中身などもそうですが、常にその時々のベストポジションというのをキープしたいです。

――日々の生活で感じたモヤモヤ=不便やフィット感のズレを、気づいたときにすぐ見直すというスタイルも高木さん流です。

そうですね。最近、家の中でもポシェットをしているんですが(笑)、これもそう。今までは使う場所ごとに掃除道具を置いていたのですが、それだとそこまで取りに行かなきゃいけない。で、あるとき、テレビのお仕事でADさんが身に着けているバッグを目にして、ひらめいたんです。ADさんはS字フックやガムテープといった仕事道具をボディバッグのようなものに入れていたんですが、ネットで探したら、お掃除のプロが使う業務用のバッグというものを発見、即購入しました。それがこのポシェットです。防水なので、ぬれ布巾と乾いた布巾、研磨剤のついたスポンジや歯ブラシ、歯磨き粉などを入れて、家の中で常に身に着けていて、気付いたときに掃除できるようにしています。

かかる時間の「見える化」が心のゆとりを生む

――かかる時間を「見える化」するというのも目からウロコでした。朝起きてから、出かけるまでに必要な時間はだいたい1時間半くらいだと思っていたのですが、実際、今朝自分のメイクにかかる時間を計ってみたら、たったの10分! 一体、それ以外は何をしてるんだと……。

たまにお化粧をした気になって、忘れていることがあるんですね。その時に、本気でメイクをしたらどれくらいでできるのか、試してみたんです。そうしたら、なんとたったの3分だった! もちろん、BBクリームとパウダーと眉毛を描くくらいの簡単なものです。メイクには人それぞれのポイントがあって、例えば「眉毛さえ描けばOK」とか「アイラインを引けば、しまる」とか、時短メイクに挑戦したことでそうした気づきもありました。

寝坊して、たとえ出かける30分前に起きたとしても、メイクが10分でできると分かっていれば焦らなくなります。自分がその作業を何分でできるかを把握しておけば、焦らなくなるし、心がラクになります。自分ができることを数字で知ることは、やる気の後押しに効果的。心のゆとりは、自分の能力を知ることからも生まれるんだなぁと感じました。

あと、メイクをする時はウエットティッシュを横に置いておいて、ブラシやチップの汚れはその場でキレイにしてしまう。さらに、使ったウエットティッシュの汚れていない部分で、コンパクトのミラーなんかも拭いてしまうんです。次に使う時、ミラーがピカピカだと気分がいいですよね。

―― 『ためない生活。』からは「今できることは後回しせず、今すぐやる」ことと、それを体に染み込ませて習慣化するのが大事だということが分かります。そうした考え方にたどり着いたのは、いつ、どのようなきっかけで、でしょう。

学生時代もそうですが、もともとはやらなきゃいけないことを後回しするタイプでした。ただ、母はやるべきことをリストにして、「ゑみ、明日はこれをやりなさいね」と言うタイプで、常々言われていましたね。成人してからはビジネス書などを参考に、やらなきゃいけないことをリストアップするだけでなく、さらにそれらに優先順位をつける……というようなこともやってみましたが、結局は追われるんですね。そうすると、追われることでモヤモヤがたまって、それが本当に嫌だった。で、ある時、やる順番とかではなく、とにかく「to do リスト」を一番上からこなしていくというのをやったんです。そうしたら、その多くは実は5分でできるじゃん! てことに気づいて。そこから、やらなきゃいけないことはとにかくすぐやる、というふうに習慣づけたら、すごくラクになったんです。しかもそれが快感になった瞬間があって(笑)。そこから意識が変わりました。

子どもが生まれたことも大きいですよね。出産後、子どもの幼稚園の送り迎えに、料理教室に……と時間がないなかで、昔ならダラダラやっていたようなことがメリハリをつけてやれるようになりました。集中力も上がったように思います。出産前は、「朝の1時間は掃除の時間」というふうに決めていましたが、キリがない。だから、「電話の時は拭き掃除」というように、「ついで掃除」に変えました。電話の子機の横にはいつもクロスが置いてあるので、電話が鳴ったらクロスも一緒に手に取る。電話で話しながら、棚の上のほこりやドアノブの手あかなど、パパパと拭いていきます。ちょっと拭くだけでキレイになるので、電話が終わった後はあちこちがすっきりとして気持ちもいいですよ。

他にも、息子は1時間くらいお風呂に入っているので、泥汚れがついた子どもの靴などはその時にお風呂場で一緒に洗ってしまいます。教室で使う銀食器をお盆にのせてお風呂場に持ち込んで、磨いたりもしていますよ(笑)。

熱血料理教室で体重2キロ減

―― 料理教室に家事に、子育てに……と、忙しい毎日を送る高木さんですが、一週間のだいたいのスケジュールはどんな感じですか。

毎週金、土、日曜日は料理教室なので、その3日間はテーブルコーディネートなど仕込みのために3時半起きです。教室は夕方に終わるので、その後、翌日の仕込みをして、そこから家族のごはん作り。私の教室は野菜の皮をむく時も一生懸命! いためる時も本気で! という熱血スタイルなので、冗談のようですが、3日間で体重が2キロ落ちるんです(笑)。なので、それ以外の日は食べたいものを食べて飲みたいものを飲んで、体重を戻す生活です。

料理教室がない日は、息子の幼稚園のお迎えまで打ち合わせや撮影を入れたり、そうした仕事がない日はひたすら試作づくりです。2、3カ月先のレシピを考えたり、鶏肉を使って◯品といったオーダーがいつきても応えられるように準備しておく。普段、家族のための料理は目分量でやっていますが、試作の時は調味料や粉など材料1つ1つをきちんと計量してつくっています。

――幼稚園だけでなく、習い事の送り迎えなどもあるとなると、週3日の教室運営と子育ての両立はかなりハードです。

息子は早い時は午前中に帰ってくるので、そこからバタバタとお昼ごはんを作るのは大変だから、朝のうちに2人分のお弁当をつくっておいて家で一緒に食べたり、もちろん送迎を実家にお願いすることもあります。でも、あまり自分が忙しいと思ったことはなくて……。やらなきゃいけないことがたくさんある時は、大変だなぁとは思いますが、日々結構楽しんでやっているので。万が一ストレスがたまったら、野菜を思いっきり千切りにして、サラダをつくって解決(笑)。あと、子どもがとても穏やかな性格なので、それに本当に助けられていますね。私のマシンガントークに対して、息子が「ゑみちゃん、あのね~」とかって返されると、気持ちがホッとしますよね。子どもから学ぶことは多いです。

息子が1~2歳のころ、仕事をうまく回すことができずにイライラしたり、そのせいで夫婦ゲンカが目立ったりした時期があったんです。すると、息子が突然夜泣きをするようになり、普段も私の機嫌をうかがうような様子が見られたんです。その時に、子どもには親のそういう姿を見せたらダメだと心から反省しました。イライラせず、だいたいのことは「ま、いっか」でいいんだって。私がニコニコしていると、息子はすごく楽しそうにしていますから。

――子育てのポリシーはありますか。

まずは私が心穏やかでいること。そして、子どもが興味のあること・得意なことは伸ばしてあげられる、子どもが安心して取り組める環境をつくってあげたいですね。

季節感を取り入れたりして、楽しく食卓を囲むことにも力を注いでいます。バランスよく食べるとかよりも、家族で一緒に食べたらおいしいねってことを伝えられたらいいですね。仕事柄、ずーっとごはんづくりをしているような生活ですが、私がそれをいかに楽しみながらやっているかを伝えるために、例えばカボチャの季節なら、カボチャを使って子どもと一緒に料理したりしています。

食事には人と人とをつなぐ魔法の力がある

―― 実は、料理がすごく苦手で……。そのせいか、小学3年生の息子もやや偏食気味で悩んでいます。高木さんは教室でたくさんの方が料理するのを見ていらっしゃいますが、料理下手な人に特徴はありますか? 料理が上手になるコツを教えてください。

料理が苦手な人の共通点は……「料理が苦手」と言ってしまうところです(笑)。逆なんです。「料理が苦手」だと思わなくていい。毎回、つくる料理が100点満点の人なんて1人もいなくて、私だって試作時はとても食べられないようなものをつくってしまったりもするんです。まずは、好きにならないと。それは、料理することそのものを好きになるということではなく、例えば、いつも使っている調味料をちょっとだけこだわって100円高いものにしてみるとか、よく切れる包丁や使いやすいキッチングッズとか、使うときにウキウキしますよね。キッチンに立つのが楽しいと思うことから始めてもいいんです。

あとは、「味つけができない」「献立が立てられない」「調理に時間がかかる」など、苦手だと感じる具体的な理由が何かを考えて、そこをクリアにしていく。味つけは、大さじ、小さじ、計量カップできちんとレシピ通りに計れば、間違いありません。照り焼きや煮物、いため物といった基本の味つけ、家族の好きな味つけを紙に書いて、キッチンに貼り付けておくと便利ですよ。

―― 高木さんは料理のどんなところが好きですか。つくること?それともおもてなしをすること?

もともと自分が飲んだり食べたりするのが好きということもありますが、自分のつくったごはんで誰かを笑顔にできるというところが一番。学生時代に留学先のロサンゼルスで、肉じゃがを「ジャパニーズシチュー」と言って友達にふるまったら、言葉の壁を越えて仲良くなれた。料理には人と人との距離をぐっと縮める力があります。やっぱりそこが魅力ですね。

(ライター 毛谷村真木)

[日経DUAL 2017年5月10日付記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_