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退職時、手続き忘れで「DC難民」に 資産は減る一方 自動移管者、運用指図者はiDeCoへ移行を

2017/6/25

 自動移管から加入者になるには金融機関を選んで手続きをすればいい。「ただし自動移管になる際と新たに加入する際に余分な費用もかかるので、本来は退職後6カ月以内にきちんと加入手続きをすべきだ」(ファイナンシャルプランナーの福島えみ子氏)

 一方の運用指図者は金融機関にイデコ口座はあるが、新たな積み立てができず運用だけを続ける人だ。掛け金拠出に伴う節税効果が得られない。平均資産は昨年3月末で約174万円と、加入者の平均(約154万円)を上回る。

 昨年まで個人型DCの加入対象は限られていたので、元企業型DC加入者が6カ月以内に手続きをしても指図者しか選べないことも多かった。個人型の元加入者が企業年金のある会社に就職して加入資格を失い、やむなく指図者になることもあった。今は原則全員が入れるので指図者から加入者へ転換手続きしたい。

■節税効果大きく

 運用益が非課税の利点を生かすには、預貯金より株式を含んだ投資信託がお勧めだ。世界全体に幅広く投資すれば長期では資産を増やせたことが多かった。

 実はわざと自動移管者や指図者を選んでいる人もいる。自動移管などの年間手数料は高額ではないので、資産が少ない人などが相対的に高い口座管理費用を払って加入者になることを避けているのだ。

 しかし現在は多くの金融機関が口座管理費用を引き下げ、国基連分なども含め年2000円強で済むケースも増えた。掛け金拠出に伴う節税効果を考えると加入者になる方がお得だ。ちなみに自動移管の間は加入期間に計算されない。イデコ受給は原則60歳以降だが、加入期間が短いと最大65歳まで遅れる点も不利だ。

(編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2017年6月17日付]

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