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向井理、モノは大事に ペンケース13年、マグ30年

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2010年のNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』でブレイクし、多くの映画やドラマに主演してきた向井理さん。バーテンダーを経て俳優になったという異色の経歴を持つ彼の、モノへのこだわりとは。そして、企画から関わった新作映画で「モノが足りない時代」を描いた理由とは。

祖母の手記を映画化。描きたかったのは家族の話

新作『いつまた、君と~何日君再来~』では、出演だけでなく、「企画」として製作にも関わった向井さん。大学時代、祖母・朋子さんの書きかけの手記を読んで感銘を受け、卒寿(90歳)に家族と自費出版してプレゼント。その本を『ゲゲゲの女房』の脚本家・山本むつみさんに託し、7年越しで映画化にこぎつけたという。

「自分が見たい映画や、演じたい役柄というのはいつも持っています。今回も、その中の一つが動いて、実現したという感じですね。

僕が見たかったのは、家族の話です。最近、家族を描いた作品が減っている気がしていて。でも僕は、そこにすごくドラマがあると思っているんです。タイムスリップしたり、記憶をなくしたりするような話ではないですけど、だからこそ、多くの人が身につまされるものがあると思う。

僕自身、実話モノの映画やドラマが好きなんです。ドキュメントも好き。フィクションは、いろいろなことが気になってしまうんですけど、実話やドキュメントは、それを取り払ってくれる。

それに実話って、その人と比較して、自分が置かれている環境を俯瞰(ふかん)で見られると思っていて。『こういう人たちが、実際にこうやって生きていたんだ』と思うと同時に、『じゃあ、自分の実話やルーツはどうなんだろう』と考えるきっかけにもなりますね。今回の映画も、見た人が自分の家族のことを顧みるような作品になればいいなと思っています」

長く使えるものを選びたい

『いつまた、君と~何日君再来~』では、向井さんの祖父母が暮らした戦後の日々が描かれる。実は向井さん自身の「モノ選び」にも祖母・朋子さんの影響があるという。

「身の回りに多いのは革のモノですね。革ジャンに、レザーバンドの時計。手帳もレザーのものを使っています。

革製品は多少、値が張っても、手入れをすれば長く使える。消耗品にならないところが好きです。僕は大学時代にある賞をもらって、教授から革のペンケースをいただいたんですけど、それはもう13年使っています。

革製品は、僕の感覚では、日々使ったほうが長持ちしますね。わざわざ油を付けて拭いたりしなくても、毎日使っていくうちに、手の脂が付いて磨かれていく。光沢も出るし、日々触っていると愛着も湧くものなので、なるべく毎日使ったほうがいいと考えています」

革製品に限らず、「なるべく長く使えるものを買うようにしている」という向井さん。マグカップに至っては、30年以上、同じものを使い続けているとか。

「幼稚園の時に、自分で描いた絵を焼き付けたマグカップを作ってもらったんです。それを今も使っています。もう捨てられないですよね、ここまで来ると(笑)。

両親や祖母から、『モノは大事にしなさい、食べ物は残すな』と言われていました。だから今でも長く使えるものを買いたいと思いますし、食事は残さないように心がけています」

モノにあふれている時代だからこそ

「物欲があまりない」という一方で、「いつも食べ物のことを考えている」と笑う向井さん。食べたいものは、自分で作ることも多いという。

「食べたいものを自分で作るだけですよ。最近、親子丼食べてないなあ、と思って作ってみたり。そんなにおいしいとか、料理が上手というわけではないです。料理は、ストレス発散のために作っているところもあります。

最近買ったのは、伊賀の焼きもののおひつです。いつも土鍋で米を炊くんですけど、お米が余ったら、そのおひつに入れて、冷蔵庫で保管するんですよ。そして、また食べるときにレンジでチンする。そのときに、おひつの蓋を1分くらい水につけてから、蓋をして500wで3分温めたら、ふんわり炊きあがりの状態に戻るんです。お米がパサついたり、固くなったりしない。

そんなに高いわけじゃないし、割れない限り、ずっと使い続けられる。良かったので、母にも似たようなものを買ってプレゼントしました」

映画で描かれる終戦直後とは違い、今はモノにあふれている。いい時代だからこそ、何を選ぶかが重要だと考える。

「日々スーパーに行きますけど、特に野菜は日本産のものを選ぶようにしています。それは国内でできたものを消費したいから。フランスみたいに食料自給率が高い文化的な国もたくさんあるなかで、日本の自給率はまだまだ低いらしく。そこは上げていかないとと思いますし、日本人としてやっぱり日本のものを食べたいですね。

今回の映画で描かれるのはモノのない時代です。それに比べると、現在はモノにあふれた世界。選択肢が広がったことはいいことだと思いますが、その一方で、選択肢をどう使うかによって、間違った方向にも行ってしまう時代だなと思うんです。

いい時代だけど、いい人生にするかは、その人次第。いい人生を送るために、モノの買い方や選び方が、大事な時代だと思いますね」

貧しいけれど卑しくならないことの大切さ

『いつまた、君と』で向井さんが演じるのは、自身の祖父をモデルとした「芦村吾郎」。吾郎は曲がったことが嫌いで実直な性格。そのため戦後の激動期に人にだまされ、職を失ったり、食うにも困ったりと、人一倍苦労しながら、一家を懸命に支える。

「祖父は闇市を使わない人だったそうです。闇市を使わずに餓死した役人さんもいたらしいので、当時の人からしたら『バカヤロウ!』と言われてもおかしくないことかもしれない。不器用というか、人と違う考え方を持った人だったんだなって、時代背景を勉強すればするほど、わかってきました。

祖父の名前も、曽祖父が切腹して死んだという事実も、大学生の時に祖母の手記を読んで初めて知ったんです。自分のルーツを知ったからと言って、何か変わったわけじゃない。でも、ありがたいなと思いましたね。祖父母が大変な時代をくぐり抜けてくれたから、今、こうして自分が生きていられるのですから。

うらやましいなとも思いました。今はモノがあふれていることがスタンダードで、足りないことに対する劣等感がある気がするんです。でも当時は足りないこと、何もないことが当たり前。貧乏であることが、卑しいことではなかった。物質的なところではない、精神的なところにみんなよりどころを持っていたから。

貧しいけれど卑しくならないことの大切さは、この映画で描きたかったものです。それは、今の時代にこそ忘れてはいけないもののような気がします」

向井理
 1982年生まれ、神奈川県出身。2006年に俳優デビュー。10年、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の水木しげる役を演じてブレークを果たす。以降の主演ドラマに『ハングリー!』(12年/関西テレビ)、『サマーレスキュー~天空の診療所』(12年/TBS)、『S-最後の警官-』(14年/TBS)、『神の舌を持つ男』(16年/TBS)など。主演映画には『きいろいゾウ』『小野寺の弟・小野寺の姉』などがある。

『いつまた、君と~何日君再来~』

亡き夫・吾郎との思い出を手記にしている途中で、病で倒れた81歳の芦村朋子。手記を見た孫の理は、祖母の代わりにパソコン入力を行いながら、戦中・戦後を生きた祖父母の波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生を知る。監督・深川栄洋 原作・芦村朋子(『何日君再来』) 脚本・山本むつみ 出演・尾野真千子、向井理、岸本加世子、駿河太郎、イッセー尾形、野際陽子 6月24日(土)全国ロードショー

(ライター 泊貴洋、写真 藤本和史)

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