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小島慶子×入山章栄 女性には頑張って欲しいけど… WOMAN EXPO TOKYO 2017

2017/6/16

「WOMAN EXPO TOKYO2017」で話す入山章栄さん(左)と小島慶子さん(5月21日、東京都港区)

 女性のための総合イベント「WOMAN EXPO TOKYO 2017」(日本経済新聞社、日経BP社主催)が5月20~21日、東京都内で開かれた。キャリアや教養、健康・美容をテーマに講演などを開催。21日のオープニングセッションでは、経営学者で早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄さんと、タレントの小島慶子さんが「未来につながる働き方改革」について意見を交わした。(文中敬称略)

 入山 今は時代の転換期だ。ようやく女性が活躍ができる社会になってきた一方で、女性の活躍を男性がサポートするための取り組みはほとんどできていない。女性には頑張ってほしいけれど、男性は今までの働き方でいい、というのが多くの伝統的な会社だ。

タレントの小島慶子さん

 小島 女性が働きやすくなるには、男性も働き方を変えなくてはならない。企業は女性を支えるという視点だけでなく、男性社員が介護に直面しても働き続けられるように、男女とも多様な働き方ができるよう注力すべきだと思う。

 入山 我々が20年前に持っていた常識は今の時代には通用しなくなっている。時代に合った新しい「常識」をつくっていくことが大事だ。例えばサービス産業では、多様な人がいろいろな知見やアイデアをシェアしたほうがいい。製造業とは違う仕事の仕方が必要だ。

■「好き」軸にイノベーション

 小島 これまで眠っていた女性の力が産業にも求められるようになった。企業は今、イノベーティブな人材を求めているが、そういう人材になるにはどうしたらいいのだろうか。

 入山 イノベーションとは既存の知と別の知の組み合わせで新しいアイデアを生み出すこと。例えば異業種の人と話してアイデアをもらい、それを自分が今の仕事で持っている知と組み合わせる。人間は認知に限界があり、目の前にあるもの同士を組み合わせがちだが、自分から離れたところにある知を得ることがイノベーションには大切だ。

 小島 いろいろな人に会ったとして、そこから何ができるかを考える時に効いてくるのは「自分は何をやっていると楽しいか」ということ。好きなことを軸に、やることを考えるのが重要だと思う。

 入山 そう思う。イノベーションを起こそうとしても、その多くは失敗する。そこで心がくじけそうになったとしても、本当に好きなことであれば続けられる。自分がどんなことにやりがいを感じるのかを知っておくといい。

■数合わせでない多様性を

 小島 多様な人材を生かせる職場とはどんな組織か。

早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄さん 

 入山 多様な人材を組織に入れるダイバーシティには2種類ある。一つはタスク型といって、能力や経験、考えなど目に見えない価値の多様化。もう一つのデモグラフィー型は、性別や国籍、年齢など目に見える属性の多様化だ。経営学の研究では、タスク型は組織にとってプラスだが、デモグラフィー型はマイナスに働くことがあると分かってきた。

 小島 ただ女性を採用しよう、外国人を入れようというだけでは組織にとってプラスにならない。多様なスキルや価値観の人を増やし、それを生かすことができるのがいい職場だ。

 入山 数字合わせではなく、何のためにダイバーシティを推進するのかを考えることが重要だ。大事なのは、いろいろな考え方や価値観、経験を受け入れること。「女性だから」「外国人だから」といったバイアスを取り除くことで、組織の多様性は強化され、個人も輝く。性別よりも、どんな人間で、何をしたいのかということのほうが重要だ。

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