――インターンの応募条件は何だったのですか。
「『400字であなたの意気込みを書いてください』。これだけです。学年も不問です。ただし、米国に1人で出かけて現地でユーザー調査をするというのは英語ができて、メルカリというプロダクトが好きじゃないとできません。この時点でいいスクリーニングができているのです。国内での調査や海外でもツアーコンダクターがつくとかなら、もっと応募があったでしょうが、それでも1000を超える応募がありました。今は、このインターンに参加した学生たちを面接中です」
「あこがれの人と働ける」も魅力
――口コミや社員の紹介もありますか。
「あります。IT業界で有名なエンジニアが、何人も当社で働いているんです。彼らのSNS上でのフォロワーはとても多いから、彼らが『積極採用しています!』とつぶやいてくれると、『○○さんと働けるんだ』というエンジニアが応募してくれるので、力になります」
「優秀なエンジニアをウェブサイトに出すと『スカウトされるかもしれない』と、あえて出さない会社も多いでしょう。しかし、他社に引き抜かれるのは、当社に魅力がないからともいえます。それは会社を磨き続けられない僕らの責任と考えています」
――人事担当者からは「現場が手伝ってくれない」という悩みも多く聞きます。
「解決策は2つしかありません。1つは経営陣が採用にコミットすることです。当社には『採用会食』というのがあります。新卒でも中途でも、口説きたい人がいたら、山田(進太郎会長)や小泉のスケジュールを見て、あいているところに予定を入れます。ノーといわれることはありません。経営陣は毎週さぼらず、『メルカリは何より人が大事なんだ』ということをいっています。1回や2回じゃ社員には伝わらないんです。2つ目は、社員に会社が好きと思ってもらうこと。実際、僕がエンジニアに『採用募集の告知を書き込んで』なんて頼んだことは一度もありません」
(松本千恵)