この、誰をターゲットにしたわけでもない、ぺんてるが考えた現時点での最強のシャープペンシルは、製品としてはかなりマニアックだし、一般性がある製品ではないのだけど、多くのユーザーに好意的に迎えられたのは、すでに市場に「良いシャープペンシル」に対して反応する準備ができていたからだろう。

進化したシャープペンシルは各社から登場している。プラチナ万年筆からは、製図用シャープペンシルとしての機能をそのままに、一般筆記用としても使える、つまり書き味をユーザーがコントロールできる「シュノークシステム」搭載の「プロユース171」が登場。三菱鉛筆は、クルトガをパワーアップして、きれいな文字が書ける機能を満載した「アドバンス」を発売。コクヨの「鉛筆シャープ TypeS」のような、ビジネスシーンに特化したシャープペンシルも登場した。今や、シャープペンシルも大人の筆記具としての選択肢に入っているのだ。

ゼブラ「デルガードタイプLx」:大人にとって、学生用のシャープペンシルは軽すぎて扱いにくい場合がある。デルガードタイプLxは、金属グリップで低重心の、かつての製図用シャープペンシルを思わせる製品だ。1000円+税
プラチナ万年筆「プロユース171」:本格的な製図用シャープペンシルを現代によみがえらせつつ、芯が折れにくい機構も内蔵。それらの機能を切り替えて自分好みの書き味に調整できる。1500円+税
プラチナ万年筆「プレスマン」:独自の長い0.9ミリ芯とセーフティスライド機構で、折れずに書き続けられるため、記者や速記者に長く愛用されているロングセラー。200円+税
三菱鉛筆「アドバンス」:20画で芯が1回転するという、「クルトガ」の2倍の機構を搭載し、より細い線を安定して書ける。大人も使えるデザイン、重要な部分には金属パーツを使う信頼性の高さも魅力。550円+税
コクヨ「鉛筆シャープ typeS」:0.7ミリ、0.9ミリ、1.3ミリと太い芯3種類から選べる、鉛筆のように書けるシャープペンシル。事務用ペンのようなシンプルなデザインと太めの六角形のグリップが握りやすいのが特徴だ。300円+税
納富廉邦
 佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人カバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。講演、テレビやラジオの出演、製品プロデュースなども多く手がける。