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日本のビールが愛される理由 外国人記者に直撃

インバウンドサイト発 日本発見旅

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NIKKEI STYLE

ビールがおいしい季節になりました。海外での日本酒人気や、日本製ウイスキーが世界で権威ある賞を取っていることは国内でも広く知られるようになりましたが、日本のビールについてはどのように評価されているのでしょうか。

外国人観光客の好みや動向を熟知している「ジャパンガイド」では、スタッフ全員がビール好き。しかも出身国がバラバラでいろいろな意見が聞けるとあって、日本のビールについてのインタビューを試みました。

印象的だったのは、最初の質問「日本のビールは好きですか?」と聞いたときのみんなの顔です。一目瞭然、まるで猛暑の日のハードな仕事を終えて居酒屋で最初の生ビールが目の前に運ばれてきたときのような、何ともいえないうれしそうな表情になりました。

スタッフには自国のビール事情や個人の意見を語ってもらい、夫のステファンには外国人観光客の動向など全体的な状況も解説してもらいました。スタッフ名のあとの( )内は出身国です。

みんな大好き、日本のビール

――日本のビールは好きですか?

全員 大好き!!

ステファン(スイス) 日本のビールは、エールなどよりライトで、水のように飲みやすい。刺し身など生ものが多い日本料理にもよく合います。また、日本人はキンキンに冷えたビールが好きですね。日本以外の国でも基本的には冷たくして飲むのが好きだと思いますが、グラスまで冷やすことは少ないかもしれません。

外国人観光客には、ビール工場の見学も人気があります。札幌市のサッポロビール博物館は昔から有名で人気ですね。キリンビールは全国に9カ所ある工場で無料の見学ツアーがあり試飲も無料。案内は日本語だけですが、外国人に最も人気の横浜工場では英語と中国語の音声ガイドがあります。アサヒビールも全国8カ所の工場で見学ツアーと試飲が無料。英語・中国語(簡体字)・韓国語のウェブサイトがあり、言語ガイド付きツアーを電話で予約できます。

レイナ(シンガポール) シンガポールのビールは、あまりおいしくないし高いんです。そして、冷たくしたいから、みんな氷を入れて飲んだりしてる。それに比べると、日本のビールは安くておいしいです。

以前住んでいたオーストラリアでは当時、水よりビールのほうが安かった(笑)。ビクトリア・ビター(VB)、フォーエックス、フォスターズの3つが人気だったけど、私は日本のビールのほうがおいしいと思います。

サム(英国) 英国では、自国のものよりフランス、ベルギー、ドイツなどのビールが人気。でも、とてもダークなビールだけは英国ブランドが飲まれています。個人的には日本のビールはおいしいと思うし、特にアサヒスーパードライは大好き。

アンドリュー(米国) 米国ではライトからダークまでたくさんの種類のビールがありますが、日本ではライトが主流。同じタイプだったら絶対に日本のビールを選びますね。おいしいから。例えばバドワイザーとアサヒだったら、迷わずアサヒを選ぶ。ただ、ダークビールだったら米国製を選ぶかもしれないけど。

――居酒屋などで「とりあえずビール」を頼むという慣習のようなものがありますが、それについてはどう思いますか?

ステファン 自分の中ではもう当然のようになっているので(笑)、特に何とも思わないです。それにスイスでも、飲みに行くとまずビールを頼む人は多いですよ。

サム いいと思います。居酒屋で「とりあえずビール」と盛り上がっている人たちを見るのは楽しい。

自分は、日本に来る前はステレオタイプな日本人のイメージを持っていたんです。真面目でよく働き、堅苦しい人たちだと……。でも、大阪に勤務して居酒屋に行くようになったとき、そこで見る日本人は全然違っていた。みんな大ジョッキで乾杯していて、とても楽しそう。それから私の中に「ふつうジャパン」と「居酒屋ジャパン」という2つの日本人像ができました(笑)。

アンドリュー 1日、一生懸命働いて、仕事の後に居酒屋に行って、すぐに乾杯できるのはいい。ビール(お酒)が苦手な人は「なぜ私も?」と思うかもしれないけど、私の友人たちは形だけ乾杯をして誰かにあげるとか、少し飲んで夫にあげて自分は好きな飲み物を頼むとかしている。悪くない習慣だと思う。

レイナ 私もそう思う。時々、メニューをずっと見ていて、注文するのが遅い人がいるでしょ。何人かがそれをするとすごく時間がかかってしまうので、「とりあえずビール」ですぐに飲み始められるのはいいと思う。

ビールのおつまみに、びっくり?

――ビールのおつまみについてはどう? 日本で驚いた経験などありますか?

ステファン 日本に来たばかりのころは、「おつまみ」のコンセプトが実はよく分からなかった。取材でたびたび新幹線を利用するようになり、駅の売店や車内販売でいろいろなおつまみがあるので、本当に驚きました。今ではすっかり慣れ、選択肢がたくさんあって楽しいと思います。イカの薫製は最初から好きだったし、ウズラの卵も好き。「チーズ鱈」は日本ならではの商品だと思う。干し貝柱は1000円もするのでびっくりしました。

サム ビールのお供は、国によって違いますよね。英国とオーストラリアはピーナッツとポテトチップス、スペインならタパス、米国はビーフジャーキーというように、国によって食べる物が違う。食文化の違いだと思うので、日本のおつまみもジャパニーズスタイルの食べ物というふうに捉えています。

驚いたおつまみは「タコわさ」。はじめは「何だコレ!?」と思ったけど、食べたらおいしかった(笑)。

レイナ 私も日本のフードとして見ています。特に驚いたものはなかったですね。

アンドリュー 私の友人は驚いていました。米国ではポテトチップス、ナチョス、ナッツなどがふつうだけど、日本のおつまみには、枝豆などの野菜や、イカなど魚以外のシーフードがあるのが珍しいと思ったそうです。

自分は、居酒屋で最初に、頼んでいないのにコンビニのおでんのような料理が出てくる(煮込み風のお通しのことと思われます:筆者)のに驚きました。

――日本には発泡酒、第三のビールという分類もあるけど、飲みますか?

ステファン 個人的には味があまり好みではないので、ほとんど飲まないですね。でも次々にいろいろな種類が発売されて、メーカーはよく研究していると思います。

レイナ 飲んだことがないです。

サム 日本に来たころは、発泡酒ばかり飲んでいました。コンビニで値段を比べると安いから。でもなぜか二日酔いになりやすかったので、今はビールを飲んでいます。

アンドリュー 経済的でいいと思うけど、ビールテイストがほしいときはやはりビールを選びます。

注目されている日本のクラフトビール

ところで、ここ数年、日本の「クラフトビール(craft beer)」の人気が急激に高まってきました。クラフトビールとは「地ビール」のことと思っていただいてよいでしょう。厳密にいうと違うのですが、小規模な醸造所でつくられるビールというカテゴリーは同じなのです。

日本では1994年に酒税法の改正があり、ビールの最低製造量の基準が、それまでの年間2000キロリットルから60キロリットルにまで引き下げられ、全国各地の中小メーカーでもビールをつくることが可能になりました。これが地ビールの始まりです。翌1995年は「地ビール元年」と呼ばれ、日本中に地ビールブームが起こりました。

その後ブームは去りましたが、生き残った醸造所が品質にこだわっておいしいビールづくりを目指してきたことが、現在のクラフトビール・ブームにつながっているといわれています。

夫によると、ほとんどの国には大きいビールメーカーがいくつかあり、売り上げでは人気ですが、通(つう)は大手社製よりクラフトビールを好む傾向があるそう。そんな人たちが日本に観光に来たら、やはり日本のクラフトビールを飲んでみたいと思うのだそうです。

このような動きに着目したのが、スタッフのサムです。彼は日本のクラフトビールを紹介したいと自ら企画を提案し、この春に第一弾の記事をアップしました。サムに日本のクラフトビールの感想を聞いてみました。

サム 今、日本のクラフトビールが生産量・人気ともに上がってきています。大阪に住んでいたころ、クラフトビールの会社がたくさんできているのを見ましたし、人々がクラフトビールのことを話しているのも聞いて、興味を持ち始めました。

その後ネットで調べてみると、東京ではもっと増えていて、クラフトビールが飲めるバーもどんどんできているとあり、取材してみたいと思ったのです。

日本のクラフトビールは、全体的にハイクオリティー。米国やドイツのクラフトビールの平均レベルはかなり高いですが、日本はそれに追いつきそう……。いや、もう同じレベルに達しているかも。

そう思う理由は、おいしさはもちろんのこと、ビール職人や醸造所の情熱を感じるからです。つくる側がよく研究し経験を積んでいると思います。米国やヨーロッパにも勉強に行っているかもしれない。その成果が出ていると思います。

正直にいうと、すごく驚きました。日本のビールの歴史はまだ150年ほどなのに、ヨーロッパの500年と、もうイコールになっている。ただし、まだ世界的には有名になっていないので、これからはPR活動も必要ではないかと思います。

サムのトラベルリポート「Craft Beer Japan: Kanda」

http://www.japan-guide.com/blog/sam/170306.html

シャウエッカー光代
 ジャパンガイド(株)取締役。群馬県生まれ。海外旅行情報誌の編集者を経て、フリーの旅行ライターとなり、取材などで訪れた国は約30カ国。1994年バンクーバーに留学。クラスメートとしてスイス人のステファン・シャウエッカーと出会い、98年に結婚。2003年、2人で日本に移住。夫の個人事業だった、日本を紹介する英語のウェブサイト「japan-guide.com」を07年にジャパンガイド株式会社として法人化。All About国際結婚ガイド、夫の著書『外国人が選んだ日本百景』(講談社+α新書)『外国人だけが知っている美しい日本』(大和書房)などの編集にも協力。

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