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太らない人が実践する「3つの食習慣」

こちら「メンタル産業医」相談室(10)

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

こんにちは、精神科医の奥田弘美です。雨つぶを宿したアジサイが美しい6月、あなたの心と体はお元気でしょうか。この記事では、前回「ストレス・疲労に負けない食事 『赤黄緑を1:1:1』」に続き食事をテーマにお送りしたいと思います。

産業医業務においては、メンタルヘルス面談や過重労働面談だけではなく、社員さんからの健康相談に応じることも重要な仕事の一つです。私自身も、担当する20社の会社でしばしば対応していますが、昨今非常に多いのがダイエットに関するご相談です。女性はもとより男性からも「体重を減らすにはどうしたらよいのか?」「最近太ってきたので、これ以上体重を増やさないための対策は?」といった質問をいただきます。そんなとき必ず私が投げかける逆質問が3つあります。

【ダイエットをしたい人への3つの質問】

その1 「常におなかがしっかりすききってから食べていますか?」

その2 「腹8分目ラインで箸を置いていますか?」

その3 「寝る時刻の2~3時間前からは何も食べていませんか?」

私にダイエットの相談をしてくる方の中で、この3つの質問全てにYESと自信を持って答えられる人は皆無です。逆に何歳になってもスリムで健康的な体形を自然にキープしている「太らない人」は、この3つの質問にYESと答える人が多い傾向があります。

私はこの3つの食習慣をキープしているかどうかが、太るかどうかの根本的な食習慣の違いだと確信しています。

「3つの習慣+栄養バランス」でほぼ確実にやせられる

「そんなこと、今さら言われなくても知っている」と思う方もいるかもしれませんが、この3つの食習慣を身に付けないままダイエットにトライしても、一時しのぎになりかねません。運よくやせても、元の食生活に戻ればまたリバウンドしてしまうのはほぼ確実です。

というのは、実は私自身が学生時代から20代半ばまで、「ダイエットをしてはリバウンドする」を繰り返していたから。そのため当時から「太らない人」の食事習慣に個人的にずっと興味がありました。そこで、医師になった当初は内科系ドクターとして食事指導を通じてたくさんの患者さんの食事習慣をインタビューする機会に恵まれたこともあり、知人もひっくるめて手当たり次第に「太らない人」の食事習慣をヒアリングしました。その結果、上記の3つの習慣を持っている人が非常に多いことに気が付いたのです。

もう少し詳しく説明しますと、いくつになっても健康的でスリムな人は、「おなかがしっかりとすききるまで次の食べ物を口にしない」。そして「おなかがパンパンに張り苦しくなるまで食べず、いわゆる腹8分目ラインで食事を終える」という食べ方を自然に習慣化しています。さらに食後4~5時間はおなかがそれほどすかないので、食間に「口寂しいから」などとお菓子をつまんだりもしない。夜も、午後7~9時ごろに夕食を食べたならば、「その後、寝るまでの数時間は何も食べない」という人が圧倒的に多いことが分かりました。

これら3つのポイントに気づき徹底的に実践し始めてからというもの、私自身は全く太らなくなりました。それまではダイエットをして数キロ落としてはリバウンドを繰り返していたにもかかわらずです。現在に至るまで約20年たち、その間に2人の子どもを出産しましたが体重はほぼ一定です。できるだけ歩くようにはしていますが、特別な運動や食事法をしているわけでもありません。

気を付けていることといえば、3つのポイントのほかは、第9回「ストレス・疲労に負けない食事 『赤黄緑を1:1:1』」に書いた赤グループ(たんぱく質)、黄グループ(炭水化物・脂質)、緑グループ(ビタミン・ミネラル類)をできるだけバランス良く食べることのみです。甘い物は好物なので、ケーキやアイスもデザートに食べたりします(ただし全て「おなかがしっかりすいてから」食べるか、もしくは食後のデザートのときは「腹8分目まで」と決めて食べています)。

この当たり前ながら重要な気づきを自分一人で独占していてはいけないと思い、ダイエットの相談をされる方にお伝えしてきました。この3つの食べ方を忠実に実践される方は、ほぼ例外なく体重が増えていくのがストップします。本記事でもページ数に限りがありますが、それぞれのポイントをお伝えしたいと思います。

ポイント1 おなかがすききるまで次の食べ物を口にしない

「おなかがしっかりすく」ことは、「前に食べた食べ物のエネルギーを使い切り、血糖値が下がりましたよ」という体のサインにほかなりません。逆に空腹になる前に食べることは、前の食べ物のエネルギーを使い切らないうちに、さらに上乗せしていること。つまり余剰分が生まれてしまい、それらは脂肪として蓄えられてしまいます。

太る人にありがちなのは、「食事の時間が来たから、おなかがさほどすいていなくても食べておく」といった「時間食べ」や、「おいしそうだから」「珍しいから」といった理由で食べる「目で見て食べ」、「お菓子を勧められたから」「皆が食べるというから」「残すともったいないから」といった「付き合い食べ」、イライラしたり気持ちが不安定になったりしたときに気を紛らわすための「ストレス食べ」といった空腹感を無視した食習慣です。こうした食べ方をしている方は、まずはおなかがスッキリすくまで、次の食べ物を口に入れないように心がけることが大切です。

何かを食べるとき、「本当におなかがすききっているのか?」と胃袋に問いかけてみる。おなかがすききっていない場合は安易に食べず、付き合いの場合もノンシュガーの飲み物程度にしておく。ストレスのために口寂しさを感じたら、ストレッチやウオーキングなど軽く体を動かしてみるというのも有効です。

健全な「空腹感」は最高の調味料

おなかがすくまで食べない癖がついてくると、次第に中途半端な空腹感で食べ物を口にするのが苦痛になってきます。

なぜならおなかがすいてから食べる食事は、「非常においしいから」。嫌いな物と粗悪な食べ物以外は、おなかがすききると本当においしく感じます。だからおなかがすいていない状態だと、食べたくなくなるのです。こうなるとしめたもの。健全な「空腹感」という体のメッセージに沿った太りにくい食事習慣が出来上がっていきます。

ただしこの健全な空腹感を毎食きちんと感じとるためには、食事をバランス良く食べることがとても重要です。パンだけ、チャーハンやおにぎりだけ、麺類だけといった炭水化物に偏った食事や、多量の甘い物の摂取は、血糖値を急上昇させたのち急降下させます。

これは最近「血糖値スパイク」と呼ばれ注目されている状態で、血糖値が急降下していくときに、胃がもぞもぞとして「おなかがすいたような落ち着かない妙な感じ」が起こります。ひどいときには空腹感だけではなく、眠気、脱力感、動悸(どうき)、冷や汗、頭がぼーっとする、イライラするなどの症状が起こることもあります。

 血糖値スパイクによる空腹感は「前に食べた食べ物のエネルギーを使い切りましたよ」という体の合図ではなく、いわゆる「偽の空腹感」のようなもの。この偽の空腹感を防ぐ意味でも、「赤黄緑を1:1:1」の栄養バランスが基本となります(詳しくは「ストレス・疲労に負けない食事 『赤黄緑を1:1:1』」を参照) 。これらを組み合わせて食べると、血糖値の急上昇・急降下が起こらず、緩やかに上昇して緩やかに下降していくために「おなかがすききるまで」の時間が長くなります。ちなみに体重を減らしたいときは、赤:黄:緑の割合を「1:0.5:1」ぐらいに変更しても問題ないと考えます。

食べる順番も侮れない

さらにダイエット効果を狙う人は、食べ順にも一工夫してみましょう。

【お勧めの食べ順】

「緑グループ」→ 「赤グループ」 → 「黄グループ」

上記の食べ順は、血糖値がゆっくり上がりゆっくり下がるために、膵臓(すいぞう)に負担が生じにくく糖尿病の食事法としても推奨されている食べ方です。また、先に野菜や主菜を食べることで胃袋が満たされますので、自然に無理のない緩やかな低糖質の食事にもっていくことができます。

ちなみに糖質を1日50グラム以下に減らす極端な低糖質ダイエットは医学的にも安全性が疑問視されているので、私はお勧めしていません(産生されたケトン体が血管内皮細胞にダメージを与える可能性を示唆する報告もあります[注1])。また、極端に糖質を避けると、抑圧されていた糖質への欲求によって、ダイエット終了後に反動がきて過食に転じる恐れがあります。

[注1]Br J Nutr. 2013 Sep 14;110(5):969-70.

日本人(特に女性)は炭水化物や甘い物が好物という人が多く、「厳しい糖質制限や断食ダイエットで数キロやせたあと、スイーツのドカ食いが止まらなくなった」という人に私自身も複数人出会ったことがあります。知人の内科医師も「自己流で極端な糖質制限ダイエットをしたあと、反動で無茶苦茶に食べてしまう患者さんが増えてきて困っている」とこぼしていました。

緩やかな低糖質食ならば、こうしたストレスによる反動を回避できますので、緑→赤→黄の順番食べの後、「腹8分目ラインで箸を置く」ことを実践すると、無理のない範囲で低糖質系の食事を末永く維持できます。

次回は、ポイント2「腹8分目ラインで箸を置く」と、ポイント3「寝る時刻の2~3時間前からは何も食べない」について詳しくご説明します。

【こちら「メンタル産業医」相談室】

第9回「ストレス・疲労に負けない食事 『赤黄緑を1:1:1』

第8回「連休で疲れを残さないコツ 変化はストレスと考える

第7回「『変化疲れ』が五月病の原因に 注意すべきはこんな人

第6回「過労死は『好きで仕事をしている人』にも起こる

第5回「『過労』はサイレントキラー 体力がある人ほど注意

奥田弘美
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント。1992年山口大学医学部卒。都内20カ所で産業医として働く人を心と身体の両面からサポート。「何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから」(扶桑社)、「一流の人は、なぜ眠りが深いのか」(三笠書房)など著書多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ、日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行う。

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