朝ドラ『ひよっこ』 有村架純の茨城弁が魅力的な理由

梅雨入りするこの季節。出勤前に、朝のニュース情報番組をチェックしながら身支度を整えつつ「今日も朝から雨かぁ……」などと、げんなりしてしまっている方も多いことでしょう。

私もそのうちの一人ですが(笑)、NHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』を見ることで、出勤前のリセットタイムを得るようにしています。

朝8時からスタートするドラマですから、私のように遅めの出勤スタイルの方しか見ることはできませんが、お昼の12時45分から再放送されていることもあり、私の友人などは、お昼休み時間中に休憩室で毎日欠かさずに見ているそうです。

農村出身の愛らしいキャラクター

この『ひよっこ』の舞台は高度経済成長期の時代。茨城県の北部にある奥茨城村(物語上の架空の村)から、東京へ集団就職することになった有村架純さんが演じる谷田部みね子という一人の少女の成長物語を描いたドラマです。

実年齢は24歳の有村さんですが、10代後半の女子高校生役を演じるために、撮影スタート時には体重を5kgも増やし、その後の東京編では徐々にやせていくようにウエートコントロールして役作りに励んだのだそうです。

農村出身の愛らしいみね子のキャラクターに、有村さんの姿は見事にはまっています。

その理由の一つに挙げられるのが、自然な茨城弁のセリフ回し。「んだから~、言ったっぺよ」や「そっけ?そんなごと言ったっぺか?」など、イントネーションの上がり下がりや濁音も多い茨城弁を有村さんは違和感なく表現しています。

有村さんの愛くるしい表情と音の響きを通して、言葉の温もりを感じ、毎回、心がほっこりしている視聴者も多いことでしょう。

例えば、標準語で上記のセリフを言われたとしたら、「だから、言ったでしょう」や「そうかしら?そんなこと言ったかしら?」となり、なんだか無機質でよそよそしい印象になってしまいます。

女性がかわいらしい方言を話している様子は、女性の目から見ても魅力的だなぁと感じます。

ちなみに女性の方言に関しては、ソニー生命保険が実施した「47都道府県別 生活意識調査」において「方言のかわいさ自慢ランキング」という項目が集計されています。(調査対象:各都道府県の20歳~59歳の男女100人計4700人、調査期間:2016年9月7日~15日ちなみに結果は1位「京都府」、2位「福岡県」「熊本県」、4位「宮崎県」、5位「広島県」「高知県」、7位「長崎県」、8位「徳島県」と1位から8位までを西日本の府県が占めました。9位が「青森県」と「山形県」です。調査で見る限り、女性の方言人気は、西高東低の傾向があるようです。

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濁音と鼻濁音の絶妙なバランス