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9月22日の記者会見でプロ志望を表明した早実の清宮幸太郎内野手(東京都国分寺市)=佐藤圭一郎撮影

9月22日の記者会見でプロ志望を表明した早実の清宮幸太郎内野手(東京都国分寺市)=佐藤圭一郎撮影

26日に開いたプロ野球の新人選択会議(ドラフト会議)で、早稲田実業学校の清宮幸太郎内野手は、日本ハムの指名を受け交渉権が確定した。早実の先輩にあたる王貞治ソフトバンク球団会長を目標にプロ志望を表明した清宮選手。王氏のほかにも荒木大輔、斎藤佑樹の両氏などを送り出し、スポーツ校といわれた早実は今、小中高の一貫教育でほぼ100%が早大に進学する首都圏屈指の難関校になっている。勉学の面でも優秀な清宮選手も一時は大学進学を視野に入れていたといわれる。今夏の早実の記事を再掲して、スター選手を育てた母校の素顔を紹介する。

野球部、練習時間は短い

「本当に早実に12年間通えて良かった」。26日のドラフト会議後の記者会見で清宮選手はこう振り返った。スター選手を次々生み出す早実とはどんな学校なのか。

「もうすぐダッシュが始まりますよ」。6月5日午後、早実の藁谷友紀校長(早大教授)はニヤッと笑ってこう話す。午後3時に授業が終わると、硬式野球部の選手が一斉にJR国分寺駅へ向けて駆け出すからだ。硬式野球部の練習は、校舎から1時間以上も離れた八王子市南大沢の「王貞治記念グラウンド」で行われる。選手たちは電車を乗り継いで、南大沢に急行。練習時間は4時半から7時までと限られている。

藁谷校長は「甲子園の常連校でこんなに練習時間の短い高校なんてないでしょうね。土曜日は授業があるのでなかなか練習試合が組めず、試合数も少ない。ですから昨日、清宮君が打った100号ホームランはかなり価値が高いといわれているんですよ」と話す。4日の日曜日、清宮選手は、愛知県の小牧市民球場で行われた愛知県高野連主催の招待試合に出場し、強豪校の享栄高校を相手に史上2人目となる高校通算100号を放った。

早稲田への推薦、1200点満点で競う

一般に甲子園常連校は午前中に授業を終え、午後は深夜まで野球漬けの毎日のようなイメージだが、早実は違う。学校の成績評価が厳しく、早大の各学部への推薦は高校1~3年生までの成績を各200点×3と3年時の2回の学力テスト、300点×2の合計1200点で、厳正に評価されて決まる。高得点の生徒は政治経済学部や先進理工学部など志望者の多い学部にも希望どおり進学できるが、成績が基準に達しなければ、留年することもある。もちろん野球のスター選手だからといって特別待遇はない。

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