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環境悪化のグレートバリアリーフに朗報 ジュゴン増加

2017/6/19

ナショナルジオグラフィック日本版

バヌアツの海で海草を食べるジュゴン。オーストラリアのジュゴンの数は回復傾向にある。(PHOTOGRAPH BY MIKE PARRY, MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC)

 オーストラリアのグレート・バリア・リーフに関して、珍しく届いた朗報だ。環境の悪化が伝えられるなかで、生息数が増加した大型動物がいることがわかった。

 2016年11月に行われた空からの調査に基づく最新の報告書によると、このサンゴ礁の南部でジュゴンの数が増えている。ジュゴンはマナティーの親戚の海洋哺乳類で、丸っこい体を持つ。

 さらに、ジュゴンはベビーブームを迎えているようだ。グレート・バリア・リーフ海洋公園局の報告によると、5500頭のジュゴンのうち10%が子どもだという。

 2011年に行われた前回の調査は、強力なサイクロンが発生してジュゴンの好きな海草が大きな被害に見舞われた後に行われた。そのときの調査では、子どもはまったく見つかっていなかった。

 現在、海岸線沿いに広がる海草地帯はよみがえり、同じようにジュゴンの数も回復している。ジュゴンのメスが子どもを産むためには、栄養のある植物をたくさん食べなければならない。

 報告書を共同でまとめたのは、オーストラリアのジェームズクック大学で海岸部や河口部の生態系を研究するスーザン・ソブチック氏をはじめとするグループだ。ソブチック氏は、電子メールでの取材に次のように答えている。「ジュゴンは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストのうち危急種(Vulnerable)に指定されています。そんなジュゴンにとって、これはすばらしいニュースです」

■サイクロンによる海草の被害

 ジュゴンはカイギュウ目に分類される4つの生物の一つで、一生を通じてインド洋や太平洋西部の浅瀬で暮らす。ジュゴンの生息数が最も多いのは、西はシャーク湾から東はモートン湾にかけてのオーストラリア北部の海だ。(参考記事:「マナティー過去最多6000頭超に、米フロリダ」)

 かつて、動きの遅いジュゴンは狩猟の格好のターゲットだった。現在では、ジュゴンを脅かす最大の要因は、沿岸地域の開発や海草地帯の減少だ。さらに、漁や海水浴場のサメ避けに使われる網にからまることも少なくない。

 ソブチック氏によると、2011年にサイクロン「ヤシ」がオーストラリアを襲ってから9カ月後の時点で、「ジュゴンの生息数は、1986年に調査が始まって以来最低の数」だったという。確認できたジュゴンは600頭に満たなかった。187頭は、陸に打ち上げられて死んだ、または死にかけていた。

 海草が被害を受けたのは、「ヤシ」が引き起こした大規模な洪水の影響で土砂が海に流れ込んだことが原因である可能性が高い。

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