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環境悪化のグレートバリアリーフに朗報 ジュゴン増加

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ナショナルジオグラフィック日本版

オーストラリアのグレート・バリア・リーフに関して、珍しく届いた朗報だ。環境の悪化が伝えられるなかで、生息数が増加した大型動物がいることがわかった。

2016年11月に行われた空からの調査に基づく最新の報告書によると、このサンゴ礁の南部でジュゴンの数が増えている。ジュゴンはマナティーの親戚の海洋哺乳類で、丸っこい体を持つ。

さらに、ジュゴンはベビーブームを迎えているようだ。グレート・バリア・リーフ海洋公園局の報告によると、5500頭のジュゴンのうち10%が子どもだという。

2011年に行われた前回の調査は、強力なサイクロンが発生してジュゴンの好きな海草が大きな被害に見舞われた後に行われた。そのときの調査では、子どもはまったく見つかっていなかった。

現在、海岸線沿いに広がる海草地帯はよみがえり、同じようにジュゴンの数も回復している。ジュゴンのメスが子どもを産むためには、栄養のある植物をたくさん食べなければならない。

報告書を共同でまとめたのは、オーストラリアのジェームズクック大学で海岸部や河口部の生態系を研究するスーザン・ソブチック氏をはじめとするグループだ。ソブチック氏は、電子メールでの取材に次のように答えている。「ジュゴンは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストのうち危急種(Vulnerable)に指定されています。そんなジュゴンにとって、これはすばらしいニュースです」

サイクロンによる海草の被害

ジュゴンはカイギュウ目に分類される4つの生物の一つで、一生を通じてインド洋や太平洋西部の浅瀬で暮らす。ジュゴンの生息数が最も多いのは、西はシャーク湾から東はモートン湾にかけてのオーストラリア北部の海だ。(参考記事:「マナティー過去最多6000頭超に、米フロリダ」)

かつて、動きの遅いジュゴンは狩猟の格好のターゲットだった。現在では、ジュゴンを脅かす最大の要因は、沿岸地域の開発や海草地帯の減少だ。さらに、漁や海水浴場のサメ避けに使われる網にからまることも少なくない。

ソブチック氏によると、2011年にサイクロン「ヤシ」がオーストラリアを襲ってから9カ月後の時点で、「ジュゴンの生息数は、1986年に調査が始まって以来最低の数」だったという。確認できたジュゴンは600頭に満たなかった。187頭は、陸に打ち上げられて死んだ、または死にかけていた。

海草が被害を受けたのは、「ヤシ」が引き起こした大規模な洪水の影響で土砂が海に流れ込んだことが原因である可能性が高い。

今回の報告書には関わっていないが、ジュゴンに詳しいオーストラリア、クイーンズランド大学のジャネット・ランヨン氏は、「海草は栄養価もカロリーも低いので、体を維持するためにジュゴンはたくさんの海草を食べなければなりません」という。

「激しい雨や沿岸部の洪水が頻発すれば、ジュゴンの将来は明るいものではなくなります。気候変動の影響で厳しい天候が続くと、間違いなくジュゴンの数は減るでしょう」

近年のグレート・バリア・リーフでは、海水温の急激な上昇によって、サンゴの白化や死滅が進んでいる。ただ、海水温の上昇自体がジュゴンに悪い影響を与えるのかどうかは、まだわかっていない。

手放しには喜べない

ブリスベンに本拠地を置く非営利団体、オーストラリア海洋保護協会で活動するトニ・マト氏は、ジュゴンの子どもの増加を「大いに喜ぶべきこと」だと話す。しかし、手放しには喜べないという。マト氏も今回の研究には関わっていないが、「この地域のジュゴンの数は、まだかつての3%から5%に過ぎません」と指摘する。

ジュゴンは、クイーンズランド州南部の開発によって大きな被害を受けている。たとえば、ビーチのまわりに設置されたサメ避けの網にからまって溺れるジュゴンもいるという。

「ジュゴンは子どもの数が少ないので、回復の速度は遅いのです。南部で数が増えているのは、北から移動してきたジュゴンもいるからでしょう」とマト氏は語る。「報告書の結果が示すのは、南部でジュゴンの数が増加したことではないと思います。災害に見舞われた後の前回調査に比べて増加しているというだけのことです」

報告書の作成に携わった研究者たちも、ジュゴンが豊かな海草を求めて移動するという考えに賛同している。それでも、よみがえりつつある海草とともにジュゴンの数が増えているのは喜ばしいことだ。

(文 John Pickrell、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年6月5日付]

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