常に現状に満足せず、自己鍛錬を怠らない姿勢は、男前な条件のひとつだ。それは進化し続けることであり、ファッションでは時代の気分を反映したトレンドにあたる。己を錆びつかせず、たえずフレッシュに進化させる。そんなトレンドという時代を映す鏡に、自らを映し出してみてはいかがだろう。
TREND 1 LINEN SUIT(リネンスーツ)
ドレスコードが緩和され、ジャケットスタイルに注目が集まった近年。その反動として、スーツをよりドレッシーに着る風潮が高まっている。そんなスーツが見直されている今季のなかでも、最も脚光が注がれているのがリネン素材のスーツだ。そのナチュラルな風合いが醸し出すリラックス感は、オン・オフ双方で余裕と落ち着きが漂う紳士像を演出する。
ウールに比べて繊維が太いリネンは、ナチュラルで豊かな風合いが魅力だ。シワにはなりやすいが、シワそのものを楽しむのがリネンスーツの醍醐味であり、カットソーやサンダルを合わせたリラックス感のある着こなしもさまになる。
TREND 2 FIELD JACKET(フィールドジャケット)
男のワードローブに欠かせないエッセンスであるミリタリーが、ここ数シーズン改めてトレンドとなっている。そうした流れから浮上したフィールドジャケットだが、長らく主流だったM-65からM-43へデザインのベースがシフト。よりクラシックな男らしさがあり、ゲーテ世代によく似合う。
スポーティーなスタンドカラーのM-65に対し、シャツのような襟羽根を備えるM-43。男らしさのなかにも上品さがあり、シャツとの相性もいいのが特徴だ。
TREND 3 LOOP COLLAR SHIRT(ループカラーシャツ)
第一ボタンを留めるためのループが襟元についていることから、ループカラー(日本ではオープンカラー)シャツと呼ばれるシャツは、ハワイアンシャツに代表されるリゾートウェアの代表格だ。ゆったりとしたシルエットにトレンドが移行しつつある流れから、今季、再注目されている。胸元の開放感とリラックスしたワイドシルエットは、寛(くつろ)いだ休日に最適だ。
ワイドシルエットによるドレープがリラックス感を漂わせるループカラーシャツ。シックなダークカラーを選べばリゾートテイストも抑えられ、都会的かつ大人らしく着こなしやすい。
TREND 4 OVERSIZE COAT(オーバーサイズコート)
長らく続いたタイトシルエットの流れが、ここ数シーズンで大きく変わろうとしている。タイトからワイドへ、シルエットの主流が変化したのだ。オーバーサイズ、すなわちひと回り大きなサイズのようなビッグシルエットを採り入れたコートは、その象徴といえる。ゆったりとした優雅さや揺れ動くドレープの美しさが新鮮だ。
オーバーサイズコートの魅力は、ゆったりしたビッグシルエットが生む豊かなドレープに尽きる。ゆえに上質なリネンなどのドレープが出やすい素材を選び、ボタンを留めずに羽織るのが正解だ。