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インバウンド最前線

ニッポン名物の自販機、外国語だって「シャベリマス」 コカ・コーラ、ダイドードリンコなど設置競う

2017/7/28 日経MJ

 増加する訪日外国人(インバウンド)の消費を自動販売機に取り込もうと、清涼飲料各社が対応を進めている。コカ・コーラボトラーズジャパンが周辺の観光スポットの情報を提供する自販機を設置。ダイドードリンコは中国語や韓国語で「しゃべる」自販機を導入した。外国人の試し買いを促す仕組みで競い合う。

コカ・コーラ系の自販機は外国語で周辺の観光情報を提供する(東京・浅草)
飲料各社の自販機への外国人誘客策
■コカ・コーラボトラーズジャパン
昭文社のアプリと連動し、周辺の観光情報を提供
■ダイドードリンコ
外国語であいさつをする「おしゃべり自販機」の設置を全国300カ所に拡大
■アサヒ飲料
地域の観光情報を無料で17言語で見られる自販機を全国250カ所に設置
■キリンビバレッジ
羽田空港や京都の四条駅などに、外国語表示ができるデジタルサイネージ機を設置
■ポッカサッポロフード&ビバレッジ
富士ゼロックスが開発したアプリを活用し、全自販機で商品説明や成分表示を可能に
■サントリー食品インターナショナル
外国語での説明をステッカーで表示をした自販機を4万台規模で展開

 コカ・コーラボトラーズジャパンは地図や観光ガイドを発行する昭文社が開発した無料の観光情報アプリを活用した。自販機には通信料がかからない公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」も搭載。表示しているQRコードをアプリで読み取ると、近隣の観光地や飲食店の情報、駅の場所などを表示する。

 英語、中国語、韓国語、タイ語での表示が可能だ。浅草や秋葉原といった観光地を中心に、東日本で年内に300台を設置する。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、さらに拡大することも検討する。

 ダイドードリンコは関西地方に設置していた、外国語で使い方の説明やあいさつをする「おしゃべり自販機」を今年春から東京都内でも導入し始めた。自販機のボタンを操作して言語を選択できるほか、中国で縁起がよいとされる「8888」が出ると、おまけとしてもう1本無料でもらえるルーレット機能を設けた。

 自販機は飲料以外も含めると全国で500万台以上ある。街中のいたる所に普及している光景は、外国人観光客からすると日本独特だという。物珍しさから自販機を利用する外国人も多く、観光案内や無料Wi-Fiなどの便利な機能を付加することでさらなる誘客を見込む。

 他の飲料メーカーもインバウンド需要の取り込みに動き始めている。ポッカサッポロフード&ビバレッジはスマートフォンアプリを活用して製品情報を外国語で表示するシステムを導入。キリンビバレッジは無料対話アプリの「LINE」と提携し、多言語表示に加え、記念の写真撮影ができる機能を持たせたデジタルサイネージ機種を展開している。

 飲料総研によると、自販機を通じた飲料販売の比率はコンビニエンスストアなどに押され、15年に初めて30%を割り込んだ。定価販売ができ収益率の高い自販機の販売をてこ入れするため、少しでもインバウンド消費を取り込みたいというのが飲料各社の本音だ。

(朝田賢治)

[日経MJ2017年6月9日付]

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