仕事で同僚に差をつける 専門知識とスキルの獲得術キャリアアップをマネーハック(2)

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今月のマネーハックのテーマは「キャリアアップ」です。前回の「キャリア育成したいなら 「業種」でなく「職種」で」では自分に適した職種、すなわち「適職種」探しがキャリアアップのコツだと紹介しましたが、今回は具体的にビジネススキルを身につけるヒントを考えてみます。

社会人として過ごす人生は、学生として過ごしてきた人生の何倍もあります。小学校から大学まで16年学んだとすれば、22歳から60歳までの38年の社会人人生は2倍以上です。すでに65歳まで現役社会は延びつつあり、70歳までの現役時代も見据えれば3倍にもなります。

仕事をしながら専門知識を学ぶ

これはつまり、勉強は学生時代だけの課題ではないということです。仕事に必要な専門知識、ビジネスマナー、IT(情報技術)スキルなどは仕事をしながら学び続けるものなのです。

30年以上も働くわけですから、学生の頃に学んだ知識が陳腐化していくこともあります。今はまだないテクノロジーに対してキャッチアップしていく必要もあるでしょう。働くということは「一生学び続ける」ということでもあるのです。それができるかできないかで生涯賃金が大きく違ってきます。

仕事の知識を手っ取り早く身につけていく第一歩は新聞や雑誌のニュースを読むことです。本連載の読者は日経電子版の読者が多いかと思いますが、すべての記事をチェックするのは時間がかかりますから、「自分の仕事に直接関係あるもの」と「自分の仕事に少しかかわるもの」をバランス良くキャッチしていくことがコツです。日経IDを持っていれば、キーワード登録で専門分野や社名を登録し、関連記事のインデックスをメール配信してもらうこともできます。

新聞各社のニュースを収集してGoogle(グーグル)のウェブサイトで紹介するグーグルニュースを使っている人もいるでしょう。それらに加え、ランチタイムなどを利用して週に1度は書店を訪れ、ビジネス雑誌もチェックしたいものです。スマートフォン(スマホ)やタブレットの雑誌読み放題のアプリなどで一気読みするのもいい方法です。自分の働く「業界」に関する情報、自分の働く「職種」に関する情報を意識してキャッチしていくといいでしょう。

業界紙や専門誌を読んでみよう

一般紙では物足りない部分が出てきたとき、チェックしてみたいのが「業界紙」「専門誌」です。どのような業界でも、ひとつかふたつは業界紙や専門誌が存在します。業界の最新動向についての情報が得られるので重宝します。

これらの媒体は広く流通しているものではありませんが、社内の資料室に収蔵されていたりします。社内回覧で最新号が先輩のデスクに置かれているのを見たことはないでしょうか。社内回覧が新人や若手に回ってこないとしても、これを読まないのはもったいない話です。先輩に頼んでぜひ興味があるところを閲覧してみましょう。

しばらく読んでいると、今までうまくできなかったお客さんとの会話のヒントがみつかったりします。あるいは、自分の会社のビジネス課題がどこにあるのか、自分の部署の役割が何なのか初めて理解できたりします。それは大きな一歩です。

法制の知識もあれば同僚に差

ときどき「ビジネス誌や一般紙の業界観測記事は甘いよね」という声を聞きますが、すべてのビジネスマンに向けて書かれた記事が、その仕事のプロフェッショナルにとって歯ごたえがないとしても仕方ないことです。むしろそう感じることは、あなたの仕事のスキルが専門的な領域に達した証しなのです。業界の一歩先のトレンド、業種の最新動向をたくさん知り、仕事に使える知識としていきましょう。

仕事に関わる法制などの知識もあると、同僚と大きな差がつけられるはずです。難しい用語も読みこなせるようになれば、あなたのキャリアは今の会社で働き続けようと、違う会社にチャレンジしようと、それほど苦労しないで済むことでしょう。

最後に学んでおきたい知識をもうひとつ。本連載はマネーハックというタイトルをつけていますが、「仕事術(ライフハック)」に関するキャッチアップもビジネスマンのたしなみのひとつだと思います。

仕事の効率化を常に意識する

書店にはよく「自己啓発」というコーナーがあります。無茶な精神論や著者の自慢話のような本は読む必要がありませんが、実践的に役立つ「仕事術」の本を探していくつか読んでください。業務を効率化するためのヒントが見つかると思います。

今ではスマホで電車の乗り換え案内サイトを検索したり、地図表示をしたりするのは当たり前ですが、サービス初期にこれを使いこなせた人は他の人より効率的に営業ができました。1990年代後半に会議発表用のソフト、PowerPoint(パワーポイント)を使いこなしてプレゼンテーションをした人は、そうでない人とずいぶん差がついたものです。

パソコンやスマホを今よりも使いこなすことで、これまで30分かかった仕事を25分でできるようになるなら、これは本業以前のところで同僚に差をつけられるということです。だらだら残業せずとも仕事がこなせるようになるかもしれません。

日常業務で「行うべきこと」を記録しておくアプリケーション、ToDoリストの賢い管理方法など、仕事を改善するライフハックは日々進化しています。ぜひ貪欲に取り入れてください。

ただし、会社のセキュリティポリシーによっては、個人のスマホやパソコンに仕事のデータを持ち込めないので、その点は注意してください。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp
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