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人手不足、正社員も賃上げ進むか

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NIKKEI STYLE

仕事を探している1人あたりに求人が何件あるかを示す有効求人倍率が4月に1.48倍と43年ぶりの高水準を記録しました。仕事の量に対して人手が足りなければ賃金が上がるのが経済の原則です。企業は人材を確保するために賃金を上げていくのでしょうか。

足元の賃金の動きは、非正規労働者の上昇傾向が鮮明です。非正規を中心としたパートタイムの平均時給は4月に1107円と前年比で2.7%も上がりました。企業は25~34歳の若年労働力の減少に直面し、パートやアルバイトの時給を上げることで何とか人手を集めようとしているのです。

ほぼ横ばいだった正社員などフルタイムの賃金にも変化の兆しがあります。4月の正社員の有効求人倍率は0.97倍と1倍超えが見えてきたのです。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「企業が正社員を増やし、賃上げが加速する」とみています。

フルタイムの4月の平均給与は前年比0.2%しか増えていません。企業は時給を上げて女性を中心としたパートを確保しつつ、正社員の採用や賃金は増やさない、というのが、従来の構図でした。ところが90年代の15%から31%まで上がったパート比率は、今年に入って下がり始めました。非正規のパートを採用するのが限界に達し、企業が正社員の採用を増やし始めた兆候があるのです。

ただ正社員の賃金には今後は「逆風」も吹きます。それは非正規労働者と正社員の処遇に不当な格差をつけることを禁ずる「同一労働同一賃金」という政策です。

非正規の人にも正社員並みの手当やボーナスを支払うよう企業に求めるもので、パートらを雇う企業には人件費の押し上げ要因になります。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは「非正規の賃上げにかかるコストは、既存の正社員の賃下げでまかなわれる可能性がある」とみています。需給が引き締まれば価格が上がるのと同様に、一方の得は他方の損、というのも普遍的な経済原則なのかもしれません。

人手不足と同一労働同一賃金という経営環境の変化にどんな解を出すのか。企業の人事政策は転換期にあります。

みずほ証券の末広徹氏「賃金全体、2023年からマイナスに」

 私たちの給料はこれからどうなるのか。人手不足や非正規雇用、人工知能(AI)と賃金との関わりについて、みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストに聞いた。

――経済全体で賃金がなかなか上がらないのはなぜでしょうか。

「日本の雇用は正社員と非正社員に二分されています。2005年と15年を比較すると正社員の賃金は2.0%、非正社員の賃金は7.8%上がっているのですが、全体では1.4%しか上がっていません。なぜかといえば、給料が正社員より低い非正社員の割合が高まっているためです。非正社員の割合は05年は約30%にとどまっていましたが、16年には約38%まで上昇しています。賃金の上昇分を、雇用の構成の変化が相殺しているのです」

――政府が非正社員の待遇改善を目指していますが、実現すれば全体の賃金はもっと上がりますか。

「正社員と非正社員の格差を縮めるのは望ましいことですが、全体の賃金が上がるかは別の話です。企業が正社員を非正社員に切り替えることで浮いたコスト分だけ非正社員の待遇を改善しても、全体の賃金は上がりません。それに企業は非正社員の待遇を改善した分、正社員の給料をカットするなど調整をするでしょう」

「非正社員の割合を年代別に見ると最も高いのは65歳以上です。つまり高齢化が進むほど非正社員の割合が高まります。高齢化の平均賃金への影響を試算すると、22年までは給料が安い若者の割合が減る影響で賃金は上がりますが、23年からは非正社員の高齢者が増えることで賃金は下落に転じます。今の賃上げのレベルがそのまま続くとすると、23年に『賃金のガケ』がやってくることになります」

――人手不足なので企業が賃金をもっと上げるという見方もあります。

「今の景気は『仕事がどんどん増えるから高い給料を払ってでも人が欲しい』というほど強くはありません。せいぜい『人が足りないからロボットやAIを使おう』という程度です。つまり今の人手不足は企業が設備投資をすれば解消する程度のものです。そこでロボットを使って利益を上げた企業は、従業員に賃金を払うでしょうか。むしろ収益の中心である海外や株主に利益を還元するでしょう」

――暗い見通しばかりですが、どうしたら賃金は上がるのでしょうか。

「簡単な処方箋はありません。ただ個人のレベルで言うなら、定年まで働ける正社員を目指すという従来型の発想を転換すべきでしょう。人生100年時代を見据えて副業を持ったりするのです。政府や日銀が『人手不足だから賃金を上げろ』と言い過ぎるのも良くないかもしれません。企業が人手確保のために賃上げ競争をすれば、裏側では最先端の設備投資をする機会が失われ、経済全体の生産性が下がるためです」

(高橋元気)

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