日経Gooday

2017/6/25

介護に備える

正解は、(3)12% です。

認知症は、記憶力や判断力、見当識(けんとうしき:時間や場所、名前などを把握する能力)などの認知機能が障害され、生活に支障が出る様々な病気の総称。厚生労動省が2012年に行った推計では、65歳以上の日本人の15%、462万人が認知症であり、社会の高齢化がピークとなる2025年には700万人になると報告されています。

この認知症の予備群とされるのが、認知機能の一部である記憶力は衰えていますが、生活に支障のない「軽度認知障害(MCI)」という状態です。厚労省の2012年推計では、軽度認知障害の人も認知症の人とほぼ同数の400万人いるとされています。「軽度認知障害があると、認知症になるリスクが高いことが知られていますので、この段階から生活改善などを行うことが認知症の発症を防ぐために大切です」と、認知症の専門病院である和光病院(埼玉県和光市)院長の今井幸充医師は話します。

軽度認知障害の人が全員、認知症を発症するわけではありません。ただ、軽度認知障害と診断された人の場合、1年後には約12%、5年後には約50%が認知症を発症すると推測されています。疫学調査でも、軽度認知障害の人は一般の人よりもアルツハイマー型認知症になるリスクが10倍高いといわれています。

軽度認知障害かどうかをセルフチェックするリストや、血液検査で軽度認知障害のリスクを判定する「MCIスクリーニング検査」も開発されています。気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。

[日経Gooday 2017年5月29日付記事を再構成]