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デジタル・フラッシュ

低迷iPad、「パソコン化」で再起 アップル新戦略

日経トレンディネット

2017/6/11

VRは、高いハードウエアの性能と専用コンテンツがそろうことで魅力を発揮するジャンル。どちらかが欠けては成立しない。その意味で、開発者が勢ぞろいするWWDCが発表には最適な場所であったことは間違いない。

iMacが性能アップし、プロ向けの超高性能Mac「iMac Pro」も登場。MacでもVRコンテンツを制作できる環境が整ったことがWWDCで発表された

新たなジャンルの製品として登場するHomePodもそうだ。これはいわゆるAIを活用したスマートスピーカーと呼ばれるジャンルの製品。スマートスピーカーは、アマゾンのEchoを筆頭に、グーグルが「Google Home」を投入するなど、プラットフォームを持つ事業者が相次いで参入している。日本ではLINEも、AIプラットフォームの「Clova」を開発し、スマートスピーカーを投入する予定だ。

アップルは音楽サービスのApple Musicを軸に、HomePodをオーディオ製品として打ち出してきたが、筆者がポイントだと感じているのは、同製品がチップセットを内蔵したコンピューターであることだ。

HomePodにはiOS製品向けのチップセットである「A8」が搭載されており、Siriを通じてさまざまなコンテンツを取得できる。残念ながら基調講演では、HomePod向けのアプリについては言及がなかったが、iPhoneやApple TVが段階的にサードパーティへとアプリを開放してきたことを考えると、HomePodも同じような道を歩む可能性は高い。

スマートスピーカーとして発表された「HomePod」。AIアシスタントであるSiriを内蔵し、ユーザーに適した音楽を探し出すだけでなく、天気やスケジュール、ニュースなどについての問いに音声で答える。照明・空調など自宅のコントロールにも利用できる

■iPhoneは盛り上がりに欠けた?

このような視点で見ると盛り上がりにやや欠けたのが、iPhoneの話題だ。iPhone向けのiOS 11では、Apple Payを使ったiMessage内での個人間送金やApp Storeのリニューアルなど目新しいトピックスは多かったが、iPhoneそのものは披露されなかった。もっともiPhoneは例年9月に発表されており、その時期を変更することは難しかったのだろう。

iOS 11ではApple Payを使って、メッセンジャーで簡単に送金できるようになる
iOS 11ではiPhoneのコントロールセンターも使いやすくなる

一方、iOS 11では、ポケモンGOのように、現実の映像と仮想キャラクターとを融合させた拡張現実(AR)アプリを制作できる開発環境「ARKit」が発表された。ただ現行のiPhoneでは、拡張現実を使ったアプリを作っても、現実を写した映像の深度(奥行き)をきちんと測定するのが難しい。このAR機能をより完ぺきにするのであれば、深度センサーを入れた新たなiPhoneが必要になる。

アップルはiOS 11で拡張現実(AR)の開発環境を整備している。新型iPhoneの布石となるかもしれない

WWDCの前から「深度センサーを搭載したAR対応の新型iPhone」の登場がささやかれていたが、ARKitの登場によって、この噂が現実味を帯びた格好だ。今年はiPhoneが発売してから10周年という節目の年だけに、新iPhone発表に向け、着々と準備が進んでいることがうかがえた。

(ライター 石野純也)

[日経トレンディネット 2017年6月7日付の記事を再構成]

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