消費者相談から判明 格安スマホを選んではいけない人格安SIM最前線

格安SIMで使える機種だったとしても、SIMカードを取り付けたり、通信の初期設定をしたりするのは、やはり自分自身だ。設定方法はSIMカードのパッケージや通信会社のウェブサイトに記載されているが、小指の爪ほどの大きさしかないSIMカードの取り扱いに不安があったり、IT機器の設定が苦手だったりする人は、すべてスタッフに任せられる大手キャリアのほうが安心できるだろう。

長電話が多い

今回の相談事例には見られないが、ビジネスなどで1回の通話時間が長い人も、大手キャリアを選ぶのがいい。

大手キャリアの基本プランは、通話料が無料(カケホーダイ)、または「5分だけカケホーダイ」など制限はあるものの、うまく使えば通話料がかからないものがほとんど。これに対し、格安スマホの通話料は基本的に通話時間に応じて課金される従量課金制だ。

楽天モバイルのように時間制限なしの通話定額オプションを提供し始めた通信会社もあるが、格安スマホの通話定額オプションでは5分~10分までと時間制限のあるものが主流だ。1回の通話時間が長い人の場合、格安スマホに乗り換えるとかえって通話料金が割高になることもあり得る。

コストと引き換えに変化を受け入れられるのか?

日本中に整備された店舗で至れり尽くせりのサポートを受けられる大手キャリアとは違い、格安スマホでは契約前の情報収集やスマホの設定作業といった、ユーザーの負担が大きい。

こうした負担の軽減に取り組む通信会社もある。

例えば、「IIJmioモバイルサービス」のIIJではウェブサイトに初心者向けの実践ガイドを掲載しているし、楽天モバイルでは「よくある質問」のコーナーを毎週更新。「mineo」のケイ・オプティコムでは、一部の店舗で格安スマホの初期設定を1080円(税込み)で代行するサービスを提供している。イオンモバイルでは40歳以上の希望者を対象に、格安スマホを1週間貸し出している。対応する店舗は全国で21店舗と少ないが、格安スマホでできることや通信速度などを実際に体験できる。

それでも、大手キャリアに比べれば、格安スマホに乗り換えることでできなくなることや、ユーザー自身で知っておくべきこと、やらねばならないことは多い。コストを引き下げられるのが格安スマホ最大の魅力だが、安さだけに目を奪われず、乗り換える前に、自分の使用環境を見直すことが重要になる。

(ライター 松村武宏)

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