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「本番に弱い人」を強くする 万年2位からの脱し方 格闘技界のチャンピオンメーカー・古家政吉さんに聞く【前編】

日経Gooday

2017/6/18

「メンタルの弱さ」ゆえに結果を出せないと感じることは少なくない。「本番に強い人」に生まれ変わるにはどうすればいいのか?(c)Wavebreak Media Ltd-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

 「いつも緊張してしまってプレゼンがうまくいかない」「営業トークが苦手。お客様の前で、自信たっぷりに話ができない」……。ビジネスシーンで、自分自身の“メンタルの弱さ”が原因で結果を出せないと感じることは少なくない。そこで、5人の格闘家を「K-1」のチャンピオンに育て上げたトレーナーの古家政吉さんに、「勝てるビジネスパーソン」に生まれ変わるためのメンタルの鍛え方を聞いた。

■「万年2位」と「チャンピオン」の違いはメンタルの強さ

格闘技界の“チャンピオンメーカー”として知られるパーソナルトレーナーの古家政吉さん

 パーソナルトレーニングで指導した5人の選手が全員「K-1チャンピオン」になる快挙を達成し、格闘技界の“チャンピオンメーカー”として知られる古家政吉さん。もともと、トップアスリートや芸能人のパーソナルトレーニングを指導していたが、10年前、偶然知り合ったプロ格闘家に「フィジカルトレーニングを指導してほしい」と頼まれたことがきっかけで、格闘家のトレーニングを引き受けるようになった。

 その結果、指導した5人の選手が全員K-1チャンピオンとなる快挙を達成。それまで「万年2位」で、どうしても「あと一歩」が届かなかった選手が、古家トレーナーの指導を受けてK-1のチャンピオンに上り詰めている。

 「世界のトップを目指す選手は皆、フィジカルもテクニックも一定以上のレベルを備えています。そうした一流選手の中で、僅差の競り合いで勝利をつかめるかどうかは、『どれだけ強いメンタルで本番に臨めるか』にかかっています」。そう話す古家さんに、ビジネスシーンでありがちな、メンタルに関する悩みをぶつけてみよう。

【ケース1】「会議になると緊張してしまい、プレゼンがうまくいかない。練習ではうまくできるのに、本番に弱い。そんな自分のメンタルの弱さを、どうしたら克服できるだろうか」

■メンタルの強い人=本番前に平常心でいられる人、ではない

 ビジネスパーソンにとってのプレゼンは、格闘家にとっての「試合」と同じですね。日ごろの成果が試される場で、結果を出せなければ普段の努力も評価されません。そんな大事な時に「緊張してうまくできない」のはなぜか。最初に、私が格闘家にどんな指導をしているかを説明しましょう。

 格闘技の試合は、他のスポーツよりも緊張する要素が多いです。勝っても負けても「ケガなく終わること」がまずないほど、ケガのリスクが非常に高いですし、最悪の場合は選手生命を絶たれるほどの重傷を負うこともあります。また、球技なら勝ったり負けたりしながら強くなるものですが、格闘技は「1回の試合」の比重が大きいことも特徴です。

 たった1つの勝敗に競技人生が左右される。チャンピオンになってスターになるか、チャンピオンになれずスポットライトを浴びないまま引退するかが、その「一度のチャンス」をつかめるどうかで決まる、ということも起こります。それだけに、試合前の選手に掛かるプレッシャーは尋常ではありません。

――「緊張するな」と言っても無理な話ですね。

 私が選手に言うのは、集中力を高めて、最高のパフォーマンスをするためには「緊張することは必要なこと」だ、ということです。一般に、本番を前に平常心でいられるのが「メンタルの強い人」で、本番を前にガチガチに緊張するのが「メンタルの弱い人」と言われますが、私は必ずしもそうではないと思っています。いつも平常心の選手と、ガチガチに緊張する選手が戦うと、いつも平常心の選手が勝つか、といえばそうではないですし、それどころかガチガチに緊張する選手ほど、本番でしっかりと結果を出すケースが多いのです。

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