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育休中の復職ウオーミングアップ 「ママボノ」とは?

日経DUAL

2017/6/21

日経DUAL

 「ママボノ」という言葉をご存じですか? 職場復帰を目指す育児休業中などの女性が、NPO支援などの社会貢献活動をチームで行うプロジェクトのことです。全員が子育て中の女性、子ども同伴で参加できる、と書くと、ふんわりしたイメージのボランティア活動をイメージするかもしれません。しかしその実態は、緩やかでありながらも仕事のインターンシップに近い、プロフェッショナルな内容です。ぎゅっと詰まった期間の中で、メンバー同士が仕事や子育ての悩みを分かち合える「戦友」になれたという感想も聞かれるママボノとは? 「ママボノ2016」の内容を、経験者の声と共に紹介します。

■ボランティア「プロボノ」のママ版

 ママボノとは、本プログラムを主催する、認定NPO法人サービスグラントによる造語です。

 サービスグラントは、ビジネスパーソンが職業上のスキルや専門的知識を、非営利団体の課題解決といった支援に活用するボランティア「プロボノ」活動を日本で最も早く取り入れ、活動している団体です。プロボノの語源は、「公共善のために」を意味するラテン語で、例えばアメリカでは、弁護士が経済的弱者のために無償で弁護活動を行うことを「プロボノ」と表現しています。

 サービスグラントのプロボノ活動は、スキル登録制のボランティアです。例えば会社員事務職ならマーケッター、管理職ならプロジェクトマネジャー、アカウントディレクターなどとしてウェブサイト上にスキルを登録し、登録プロボノワーカーで編成されたチームでプロジェクトに参加します。筆者(フリーライター)はコピーライターとして、約10年間で6つのプロジェクトに参加してきました。

 通常のプロボノ活動はメンバーも多様なため、活動が平日夜や休日に行われることが多くなります。そこで、育休などからの復帰を前にした女性が参加しやすいように特化した活動が、ママ限定のプロボノ=「ママボノ」というわけです。

 ママボノは2013年に第1期の活動が始まり、2016年度の今回は第4期を迎えました。

子どもをあやしながら、授乳しながら、上の子を隣に座らせながら。ワーキングマザーの集中力でディスカッションを進めます

■約2カ月間、力を合わせて「成果物」を完成

 ママボノは参加しやすい活動です。その理由は主に2つあります。

 まず、期間と目的が決まっていること。2016年度の場合、10月下旬に顔合わせをし、12月上旬には成果を発表するという短期間です。どのような団体に対し、どのような支援を行うかは、サービスグラントの事務局が事前に審査・聞き取りを行い「マーケティング調査」「リーフレットのリニューアル」などのプロジェクト内容を設定していきます。ワーカーはあらかじめ、「2カ月間でこの団体にこの支援を行う」というゴールへのイメージを持って参加することができます。

 これは大変重要なポイントです。一般的に、ボランティア活動を始めるきっかけは「何かしたいという気持ち」である場合が多いものですが、もしイメージしていた活動との差異があった場合などには、辞め時を自分で決めなければなりません。この判断は難しく、つらいものです。

 ママボノのプロジェクト期間は、あえて物足りないくらい短く設定されており、もしその後も支援を続けたいという気持ちがあれば支援者として関わる、という選択肢がワーカー側にあります。これからずっと支援を続けたいと思える非営利団体との「出会いの場」にもなるわけです。

 またチーム制を取っていることもポイントです。非営利団体には、ビジネスでは暗黙の了解である「利益を上げる」「ピラミッド型の命令系統」といったルールがない場合もあります。そうした事実に直面して初めて、ビジネスの暗黙知の便利さや、ありがたさに気が付くこともしばしばです。カルチャーショックを感じながらもチーム内で討論しながら、「原点に立ち返り、支援先にいかによりよい提案をするか」の道筋を決めていくのは貴重な経験です。

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