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立川談笑、らくご「虎の穴」

投書マニアの小学生 バイト感覚で図書券を換金して… 立川笑二

2017/6/11

PIXTA

師匠と兄弟子の吉笑とともにリレー形式で連載させていただいているまくら投げ企画。23周目。今回の師匠からのお題は「アルバイト」。

私は小学5、6年生の頃、よく新聞に投書をしていた。

当時は投書が新聞に掲載されると、新聞社から図書券をいただくことができて、それを親が現金に換金してくれていたからだ。

舞台袖から学ぶ立川笑二さん(東京都武蔵野市) 

アルバイト感覚で投書しているなんて、全くもってかわいげのない子供だ。

今回のお題を受け、国会図書館へ出向き、過去の新聞の中から掲載されている当時の自分の投書をいくつか読んでみて思い出したことがある。23周目。えいっ!

色々と見つけた中で、まず、地元紙に掲載されていた投書。

◇   ◇   ◇

「ぜったいになるぞ先生に」小5・知花弘之(読谷村)

ぼくの夢、それは、小学校の先生になることだ。なぜなら学校の先生は、子どもに夢をあたえることができるからだ。それとぼくたちの先生は、みんなを笑わすし、授業でわからないところは、ちゃんとわかるようになるまで教えてくれるし、やさしくもある。しかし、おこるときはとてもこわいから性格の悪い人は、良くなり、よい人はもっと良くなる。だから、ぼくもそんな先生になって、ぼくに教えられた生徒は、社会に出てもいい大人になり、今よりずっといい世の中にしたいという気持ちもある。

そしてぼくは、今からいい先生になるためにやらなければならないことが一つある。それは、今の担任の先生の教え方を良く見て覚えておくことだ。今の担任の先生はおしえる時は完ぺきになるまで教えてくれるから、こういうチャンスは、めったにないのだ。今のうちにこの先生の教え方をしっかり覚えておくのだ。

◇   ◇   ◇

将来の目標を断言し、具体的になにをすべきか考えているあたり、イチローが小学生のころに書いたという有名な作文と似ているが、教師ではなく落語家になり、「働かなくても生きていけるなら働く必要はない」と高座で言う大人になってしまっているところに、イチローとの雲泥の差がある。

というか、そもそもこの投書自体、イチローの作文を踏襲して書いたのを覚えている。かわいくない子だ。

この投書の前にも3つほど別の投書が地元紙に掲載されていたのだが、この投書だけ、たまたま当時の担任の先生の目についたのか、クラスの皆の前でほめられた記憶もある。

当時の私は、

「お金をもらって、ほめられちゃった」

と思っていたのだから、本当にかわいくない。

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