「面談では、学生から聞かれるまでは採用のことを話しません。身構えられてしまうし、本音が見えなくなるからです。私服で出かけて、パソコンと紙とペンだけ持って『コーヒーでも飲もうよ』という感じです。どんなことがしたいかとか、悩みは何かといった相談にも乗ります」
「当社が何をしているか会社か、知らない学生も多いです。ゲームに興味がない人にゲームの話をしてもまったく響きませんし、学生のニーズを聞く意味でも、こんなやり方が大事です」
地方の学生、「オンライン面接」も
――会いに行くといっても、地方では難しいのでは。
「地方からのエントリーが増えているので、『採用の半分くらいは地方の学生に』という目標をゆるやかに掲げています。いつも会えるわけではないので、面接をオンラインでやったり、インターネット動画の『FRESH!(フレッシュ)』で『就活チャンネル』という番組を流したりしています。歴代のインターン生や社員に就活の経験談を話してもらったり、採用担当者が選考のポイントを話したりします。こういうお知らせはフェイスブックで個別に送っています」
――ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で学生とつながっているのですか。
「2000人ほどの学生とつながっています。メールはほぼ使いません。合否の連絡はマイページです。ただ、最終面接の案内は特別な感じを出したいし、メリハリをつける意味で個別に電話で連絡します」
――御社の新卒採用の取り組みはかなりユニークです。失敗はありませんか。
「インターンシップは45種類あるのですが、なかには『すべった』ものもあります。ただ、学生が何を求めているのか、採用マーケットがどう動いているのかは、やってみないと分からないところもあります。いいと思ったら、まずやってみるという方針です」
(松本千恵)