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アプリでお金やりとり 口座いらず、ポイントも還元

2017/6/15

 会社の同僚との飲食代の割り勘から、親から子への仕送りまで──。個人間で発生する様々なお金のやりとりを無料でできるスマートフォン(スマホ)アプリが急増している。金融機関への振込手数料がなくなるだけでなく、ポイント還元などのメリットを得ることもできる。

■LINE・ヤフー、お手軽送金

 「今後、小学生の息子へのお小遣いは原則、『LINE Pay』で送金しようと思っている」。東京都在住の自営業の佐伯一郎さん(仮名、41)は話す。LINE Payは無料通話・メッセージアプリ「LINE」利用者なら誰でも登録できる送金や決済のサービス。LINEでつながる友人や家族に無料でお金を送れる。送金相手の金融機関名や口座番号などの情報は不要。未成年でも親が同意すれば使える。

 この送金サービス自体は2014年12月に始まった。にわかに注目が集まったのは、16年3月の「LINE Payカード」の発行から。事前に入金した金額の範囲で使えるプリペイドカードで、JCBのブランドが付いている。国内外3000万店超で買い物ができ、利用額の2%がポイントとして還元される。たまったポイントは1ポイント=1円換算でLINE Payの残高に充当し、また決済に使える。この残高を誰かに無料で送金することも可能だ。

 佐伯さんは「息子がもし外出先などで急にお金が足りなくなっても連絡をもらえばすぐ送金できるし、受け取ったお金をカードで使えば2%が還元されるから家計にもプラス」と語る。現金と違って買い物や送金のたびに電子履歴が残るので「結果的に子供がお小遣いをどう使ったのかを管理するのにも役立つ」とも考えているという。

 無料送金サービスに力を入れ始めたのはLINEだけではない。ヤフーも昨年5月、独自の電子マネー「ヤフー!マネー」を専用アプリを使って無料で送金できるようにした。やはり口座番号などの情報は不要で、LINEやフェイスブックなどでつながる相手へお金を送ることができる。

 受け取ったヤフー!マネーが使えるのは今のところ、ネットオークション「ヤフオク!」、ネットショッピング「ヤフー!ショッピング」などヤフーグループのサービスに限られるが、使い方次第で高い還元率でポイントを獲得することができる。

 例えば、ヤフオク!で買い物に使うと利用額の1%が還元される。もらえるポイントは、共通ポイント「Tポイント」だ。使える期間やサービスには制限があるが、ヤフー有料会員サービスを契約し、ヤフオク!で出品した物が売れた時、その代金を現金でなく、ヤフー!マネーで受け取るとさらに9%のTポイントが還元される。支払分も合わせると還元率は10%。オークションをよく使う人なら有料会員サービス会費(月498円)を払ってもお得になる例が多いと言える。今後はネット以外の実店舗でもヤフー!マネーを使えるようにする方針だ。

 LINE Pay、ヤフー!マネーとも所定の手続きを済ませば、送金で受け取ったお金を現金で引き出すことができる。ただ、出金時だけは手数料がかかることは知っておきたい。節約を重視するなら、送金で受け取った残高をできるだけ現金化せずに使いこなす方法もあらかじめ研究しておくといいだろう。

■独立系ベンチャーも続々参入

 ネット業界の大手であるLINEやヤフー以外に、独立系ベンチャーが送金や割り勘に特化したアプリを投入する例も相次いでいる。

各社はスマホ1つで、すぐ割り勘できるメリットをPRし、利用者を伸ばしている(ペイモのCM)

 新アプリの代表格が今年サービスを始めた「paymo(ペイモ)」と「Kyash(キャッシュ)」だ。送金や割り勘の手数料はかからない。口座情報も不要で、相手のメールアドレスやソーシャルネットワークサービス(SNS)での連絡先がわかればいい。

■連動のクレカで割引も

 両サービスに共通するのはクレジットカードが使えることだ。仮に5人で飲食して計2万円かかった場合、幹事が代表して店に支払った後、割り勘なら残り4人は4000円ずつ現金で払うのが普通だ。だがペイモやキャッシュを使うと、この4人は幹事に4000円ずつお金を送り、その支払いはクレジットカードで済ます形になり、カード払いによるポイントも原則としてたまる。

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