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下肢静脈瘤の治療は日帰りで レーザーも保険が効く

日経ヘルス

2017/7/16

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 慶友会つくば血管センターの岩井武尚センター長は、「うねっている静脈が見えたら専門の病院を受診したほうがいい」と指摘する。専門の病院に行けば、下肢静脈瘤を防いだり、進行を抑制したりする弾性ストッキングを購入できる。それぞれの症状に合ったストッキングを選び、はき方も教えてくれる。

弾性ストッキングは、予防や治療後の再発防止に効果的。症状に合わせて選ぶことが重要で、“弾性ストッキング・コンダクター”の資格を持つ人や医師に相談して購入しよう(写真提供:北青山Dクリニック)

 医療機関での下肢静脈瘤の治療は主に3種類あり、いずれも入院は不要だ。このうち、現在主流なのは、「メスを入れないレーザー治療」(北青山Dクリニックの阿保義久院長)。レーザー治療は、レーザーファイバーを患部の静脈に挿入し、内側からレーザーで静脈を焼いてふさぐ治療法。阿保院長は、「一部の静脈をふさいでも、ほかの静脈が心臓に血液を運んでくれるので心配ない。治療時間はおよそ30分で、傷跡もほとんど目立たない」と話す。

(写真提供:北青山Dクリニック)

 2014年から、より高波長のレーザー機器も保険適用となり、普及している。ただし、保険適用となっているのは波長1470nmの機器。「最高波長の2000nmの機器は、静脈をふさぐ処理効率が高く、痛みや治療時間を少なくできる。だが、自費治療のため、より質の高い治療を望むか、コストを優先するかはそれぞれの選択による」と阿保院長。

 静脈内に薬剤を入れる硬化療法とグルー治療も、レーザー治療と同様、静脈瘤ができた静脈をふさぐ。硬化療法は、静脈瘤のある血管を固める硬化剤を注射し、静脈をふさぐことで瘤をつぶす。

(写真提供:北青山Dクリニック)

 グル─治療は血管内にカテーテルを挿入して医療用の接着剤を注入して静脈をふさぐ方法。重症度や部位によって、医師と相談しながら治療法を選ぶ。

(写真提供:北青山Dクリニック)

 岩井センター長は「レーザー治療は比較的簡単な手技のため、知識のない医師が行っていることも多い。できれば日本脈管学会認定の脈管専門医と心臓血管外科の専門医を両方持っている医師を選んでほしい。レーザーなどでの治療は、下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会の実施医・指導医が目安だ」と話す。

 阿保院長は「超音波エコー検査の際に、『ここの弁が壊れている』などイメージできるようわかりやすく説明してくれているか、その内容に納得・安心できるかが大切。説明が適当で『すぐ手術しましょう』というような医師は避けたほうがいい」と話す。しっかりリサーチして、信頼できる医療機関を選びたい。

岩井武尚さん
 慶友会つくば血管センター(茨城県・守谷市)センター長。東京医科歯科大学卒。1999年、東京医科歯科大学外科教授、血管外科診療科長。2007年から現職。著書に『下肢静脈瘤・むくみは自分で治せる!』(学研プラス)など。
阿保義久さん
 北青山Dクリニック(東京都・渋谷区)院長。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院、虎の門病院などを経て2000年、同クリニックを開設。年間1000肢以上の血管内レーザー焼灼(しょうしゃく)治療を手がける。

(ライター 渡邉由希、構成:日経ヘルス 岡本藍)

[日経ヘルス2017年7月号の記事を再構成]

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