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緩いつながり ウィーク・タイズでメンタル不調防げ

日経Gooday

2017/6/8

自由に意見を交わしながら信頼関係を築いていくメンターは、できれば社外で見つけたい(c) studiostocks-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

 「友人が勤める会社では『メンター制度』が導入されているそうで、メンターとの会話が仕事や人間関係などの悩みにヒントをもたらしてくれているという。自社にはメンター制度はないが、メンターのような相談相手を持つにはどうしたらいいだろうか」。これは、製造業の開発職にあるOさんという方からの相談です。メンター制度のメリットやメンターの持ち方について、帝京平成大学現代ライフ学部教授の渡部卓さんに伺いました。

◇  ◇  ◇

 「メンター制度」を導入する企業が多くなってきました。厚生労働省でもポジティブ・アクション(女性社員の活躍推進)の一環として「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」を作成したり、魅力ある職場づくりを支援する「職場定着支援助成金」の受給条件の1つにメンター制度の導入を加えたりといった動きが進んでいます。

 先のマニュアルによると、メンター制度とは、「経験豊かな先輩社員(メンター)が面談(メンタリング)による双方向の対話を通じて、後輩社員(メンティ)のキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を援助し、個人の成長をサポートする役割を果たす制度」とされています。

 メンター制度はメンティのモチベーションの向上やメンタル面のサポートにつながるだけでなく、メンティへの支援を通じて、メンター自身がマネジメントスキルを学んだり、自身のキャリア形成を見つめたりする機会になるなど、双方向にメリットがあります。メンターとメンティの組み合わせや相性など考慮すべき点もありますが、社内でメンター制度がある場合は、活用するといいでしょう。

■メンターはできれば社外で見つけよう

 自社にメンター制度がない場合は、自分が尊敬できる先輩と、月に1度など定期的にランチをしたり、面談の場を設けたりして、ワーク、ライフ、ソーシャルにまつわる雑談で自由に意見を交わしながら、信頼関係を築いていくといいでしょう。その際、自分と同じ部署の先輩ではなく、他部署や他部門の人など、普段の仕事とは関わりの薄い人の方が、気兼ねなく話せますし、視野を広げることもできます。もっと言えば、同じ会社の人では社内の価値観にとらわれてしまうこともあるので、できれば社外に目を向けてほしいと思います。

 例えば、自分とは違う業界で活躍している学生時代の先輩や、転職した先輩などと定期的に会ってみるのもいいですし、互いの学びを目的とした異業種交流会や趣味のサークルやイベントなどで知り合った人の中から、尊敬できる、信頼できると思える人を見つけて、相談相手になってもらうのもいいでしょう。

 自分の興味や関心に近い学会に参加してみるのもお勧めです。学会というと一般の人には敷居が高いと思われがちですが、学会が主催するセミナーなどに参加してみると、自分の興味のある分野で尊敬できる人と出会うチャンスに恵まれるかもしれません。

■緩やかな絆でつながる「ウィーク・タイズ」

「めったに会わない尊敬できる人」は、新たな気づきや有益な情報をもたらしてくれる(c)Le Moal Olivier-123rf

 メンターだけでなく、社外では「ウィーク・タイズ(Weak Ties)」と呼べる人間関係も広く築いてほしいと思います。ウィーク・タイズという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、「緩やかな絆」「弱いつながり」などと訳され、「頻繁には会わないけれど、尊敬し信頼する人との細く長い関係」を意味します。

 このウィーク・タイズは、米国の社会学者、マーク・グラノヴェッター氏が1970年代に提唱したもので、日本では『ニート』の著書(共著)で知られる東京大学の玄田有史教授によって広く知られるようになってきています。私にとっては玄田教授も、ウィーク・タイズの1人です。

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