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中古住宅、品質規格で安心感 統一基準で欠陥チェック

2017/6/10

 中古住宅に雨漏りなどの欠陥がないか確認できる品質規格が広がってきた。建築の専門知識がない買い主にとって、こうした「お墨付き」は不安の解消につながる。大手住宅メーカー10社が共同で手がける「スムストック」など民間の業界団体の取り組み実績が伸びているほか、国が関与して新しく公的な規格を立ち上げる動きも出ている。

 「建物は築25年と感じないほどきれい。品質規格に適合しているとの説明を仲介会社から聞き、安心した」。会社員のAさん(41)は2年前、福岡市内に中古の一戸建てを購入した。

 間取りは6LDKで、子どもが3人いるAさん一家にとっても十分な広さ。新築なら土地を含め5000万円はしそうだが、約3300万円で手に入った。

 割安な中古住宅を探す人が増えている(図A)。不動産流通経営協会(FRK、東京・港)によると、2015年の取引数は推計約55万3600戸と前の年より7%増えた。新築物件の供給が、節税目的のアパートを除き頭打ちになっているのとは対照的だ。

 その一方で中古住宅は品質をめぐるトラブルが少なくない。住宅リフォーム・紛争処理支援センター(東京・千代田)が応じた電話相談は15年度に930件。重大な欠陥かもしれない「雨漏り」だけで193件あった(図B)。

 不安を解消してもらおうと業界がアピールするのが品質規格だ。冒頭の例でAさんの購入物件が認定を受けていたのがスムストック規格(表C)。積水ハウスや大和ハウス工業など大手住宅メーカー10社が統一基準を設ける。

 過去に自社で施工した一戸建て物件について、売り主からの依頼を受けて検査。品質を認定したうえで、系列の不動産会社が仲介して売りに出す。新耐震基準を満たし、メンテナンスの履歴が残る物件が対象だ。

 この仕組みを用いて取引されるのは年間1600戸ほど。ここ3年間で倍増し、10社施工分の中古取引の1割を超える。中古物件の品質維持で信頼を得るのは住宅メーカーにとっても重要。古くなっても査定価格が安定していれば、新築の営業上も有利だ。

■マンション向けも

 規格認定を受けて築20年の一戸建てを売った東京都のBさん(84)は「愛着のある家をしっかり査定してくれた」と話す。10年目に約150万円をかけて補修しており、建物に約600万円の価値が認められた。

 中古マンション向けにも品質規格がある。リノベーション(大規模な改修)事業を手がける企業が集まるリノベーション住宅推進協議会(東京・渋谷)が作成。インテリックスや大京穴吹不動産などが加盟する。

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