腕時計の進化を追う 強い存在感を放つ最先端モデル
スイス・バーゼルの新作時計見本市から
攻めて危機感を打破する動きに期待
昨年来、厳しさが伝えられるウオッチシーン。しかし、それって本当? と思えるほど、今年のバーゼルは攻めのスタンスを見せるブランドが目立った。
3月23日から30日までの日程で開催されたバーゼルワールド。出展ブランドがやや減少し、昨年まで独立系ハイエンドブランドなどを集めたテントスペース「パレス」が廃止に。しかし1月のジュネーブで感じられた危機感は薄く、むしろ次に向かう意欲が強く感じられた。プレステージ感がありながらSSケースでアクセシブルさを高めたモデルやダイバーズウオッチが豊作、また緑がトレンドカラーになっていたことも押さえておきたい。
攻めることでウオッチシーンを活性化する動きに期待だ。
[ 超絶のレアピース ]
ハイブランドがアピールする複雑機構からモダングラフィックまで
かつて見たこともないような驚愕機構は、今年は控えめではあったものの、複雑機構を先端技術でブラッシュアップしたり、複数のコンプリケーションを組み合わせるなどの進化は顕著。コネクテッドウオッチと機械式モデルとを、つけかえできるようにした、〈タグ・ホイヤー コネクテッド モジュラー 45〉には「なるほど」と唸らされた。なんと、トゥールビヨンにもつけかえ可能だ。この例に見られるように、各ブランドとも、自分たちの"持ち味"を再点検し、それをどんな工夫によって新鮮な味付で提供するかに注力する動きが目立った。
[ 百花繚乱のダイバーズ ]
部下や友人へのギフトにも最適! 男心を刺激するタフネスウオッチ
今年はダイバーズウオッチの秀作が多数登場。アニバーサリーイヤーを迎えたロレックス「シードゥエラー」、オメガ「シーマスター300」、ブライトリング「スーパーオーシャン」あたりは、"間違いない"仕上がり具合。ベル&ロスやショパールは、ダイバーズウオッチの新たなテイストを提示。ブランパンは38mmケースを発表、小型ダイバーズがトレンドとなるかも注目したい。グランドセイコー、エドックスをはじめ、ダイバーズでは、やはり海を思わせるブルーが人気。本格仕様でありつつ、普段使いできるダイバーズの選択肢がますます広がってきた。
[ ハイテック・ジャパンの真髄 ]
日本の技術がまた世界を驚かす
今年も日本の技術力は、世界から注目の的。シチズンはエコ・ドライブで1000m飽和潜水モデルを開発。ICチップや電池などにもヘリウムが侵入しにくい技術を投入。カシオは、新開発3ウェイエンジンに加え、和の伝統仕上げで、ジャポニズムを表現。ホンダジェットとセイコー アストロンという、日本の技術力を象徴する両者のコラボは、日本のプライドを印象づけた。また拡大するスマートウオッチ市場に参入した新進気鋭ブランドにも注目!
[ グリーンカラーの時代 ]
トレンドカラーに急浮上したセクシーな"緑"
ここ最近、文字盤のトレンドカラーはブルーやグレーといわれてきたが、既に定番化しつつある。そんななかで、今年急浮上してきたのがグリーン。セクシーな艶を感じさせるものから、ミリタリーテイストまで、バリエーションはかなり豊富。グリーンには、ヒーリングや、エネルギーが満たされる効果があり、調和を象徴する色というイメージがある。目を引きながら、優しさも感じさせるグリーンウオッチのポイントは高そうだ。グリーンウオッチと合わせて、タイやチーフ、小物などにもグリーンの差し色を使ったコーディネイトで攻めてみては?
記事中の価格は税抜きです。
[GOETHE 2017年6月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。