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立川談笑、らくご「虎の穴」

弁当の要素分析 必須は「ご飯と複数のおかず」「蓋」 立川談笑

2017/6/4

PIXTA

 テーマは「お弁当」。弟子2人のエッセイを受けての登場になります。責任者の立川談笑です。ここでお送りするのは落語家のマクラ話。どうぞ気軽にお付き合いください。

立川談笑一門会で高座に上がる落語家の立川談笑さん

 ざっくりと「弁当」といったらどんなイメージがありますか。まずは最低限、「持って出かけて、外出先でとる食事」ですよね。ポータブルな食べ物。で、今回、ふと思ったのです。「明日あさってとお弁当だから」なんて気軽に使っていますが、実は意外に範囲が狭い言葉なのではないか、と。例えばおにぎりだけで「弁当」と呼ぶのは、なんだかもの足りない感じがしませんか。

 部下「今日は弁当を持ってきました」

 上司「おやっ、どんな弁当なんだ?」

 部下「はい、コンビニで買ったこの1個。ツナマヨおにぎり!」

 上司「それは弁当とは言わないだろう!」

 なんてやりとり、ありそうですね。おにぎりだって立派な携帯食なのに。人によってはそれで十分おなか一杯だったりするのに。なぜかおにぎり単独では「弁当」未満な気がします。部下は「弁当」という言葉を広い意味で「持参する食事」「自分でお昼を持ってくる」程度で使いました。では、もうひとつの狭い方。上司の思い浮かべる「弁当」とは何を意味するのでしょう。

 そこでの「弁当」は、ポータブルランチとしての機能以外に、何か別のイメージをまとっていると考えられます。今回は「弁当」らしいとして私たちが認識するための要素はいったい何なのかを探ってみます。

 弁当と非弁当との境界線を探るべく、コンビニエンスストアのお弁当コーナーの前に立ちました。目の前にずらりと並ぶのはすべてテークアウト仕様の食べ物です。先ほどの上司と同じ、確固たる弁当目線でひとつずつ厳しくチェックしていきます。

 よーし、おれが弁当刑事だ。全員、そこを動くな。弁当と感じるかどうか取り調べるからな。どれどれ。唐揚げ弁当。ハンバーグ弁当。牛丼。よし、みんな弁当だ。ふわとろオムライスだと。う、うん……弁当だ。チキンドリア。ああ、ちょっと苦しいが、弁当だ。肉入り焼きそば、お好み焼き。ちょっと待て。4種のチーズのカルボナーラ。ペンネアラビアータ。ハムとレタスのシャキシャキサンドイッチ。待て、待て。待てーい! はあ、はあ。

 実地調査の結果、なんとなく見えてきました。まずサンドイッチなどのパン類や、パスタ、焼きそばなど麺類は弁当のイメージから遠い気がします。米の有無か? いや、米だらけのおにぎりですら弁当感から離れているのです。

 そして、パッケージにもカギがありそうです。サンドイッチ、おにぎり、調理パンなど袋物は最初から弁当っぽさを感じません。また容器には入っていても、パスタ類などのお皿に近いものはずいぶん弁当っぽくない。弁当箱ってくらいだから箱っぽい深さがイメージ的に欲しいのかもしれません。うーん、なんだかモヤモヤするなあ。

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