ポンと膨らむ「ぽんせん」? 空気圧でせんべいづくり
せんべい(8)
ひなあられ問題の続き。しばらくの沈黙の後に復活したこの方はガッキュウーの徒に変身していた。
これに対して「おかき」は平安期に始まった、鏡餅を「掻き」「砕いて」炒ったものが起源だそうです。「餅を掻いたもの」ゆえに「おかき」であり「かき餅」であるわけです。
関西で米菓を「おかき」「かき餅」、関東では「あられ」「おしおせん」と言うとのデータも見たことがあります。「おしおせん」というのは江戸期に作られた「塩せんべい」のことかと思われます。これらのデータからすると、ひなあられが関東、関西で形状を変えた理由がなんとなく解った気になってきますが、いかがでしょうか?(西荻の怒髪天娘さん)
炒られて跳ねる様子が霰に似ているというのは『山名録』に出てくる表現のことであろう。同書は「餅を鋏で切って乾燥させ鍋で煎る」という製法を書き記している。
ただ、あられやかきもちの誕生と歴史、その後の変化などを紹介するには勉強の時間がなさ過ぎるので、同人の皆さんは勝手に調べてちょうだいな。
ご当地せんべいをいくつか。
口に入れると溶けだし、ほのかな甘みがひろがります。そんなせんべいなもので、昔は離乳食としても使った人がいるという話も聞いたことがあります。
子供のころ、入院し硬いものが喉を通らない状況にあった私に、母がわざわざこのせんべいを買ってきて食べさせてくれた遠い日のことを思い出しました(いずい@仙台さん)
日本三景のひとつ松島名物。
ということよりも、400年の歴史よりも、我が子を思う母親の姿にウルウル。
もうひとつが「中谷堂」のせんべい。JR近鉄奈良駅からつながる東向商店街ともちいどの商店街の間にあって、つきたての餅を販売しています。その横で販売されているのが写真のせんべいで、ちょっともちっとした感じです。
デスクさんは「一味」に目が行かれるかもしれません。私の妻も辛いもの好きですが、食べた彼女の話によると「後から辛さがやってくる」とのこと(明渡@奈良県さん)
辛さはすぐにやってこようが後からやってこようが、危険なことに変わりはない。
危険といえばデスク、いけずな京女さんから「ひとくち食べればゴジラも痙攣」みたいな危険物をいただいてなかった?「からから煎餅」とかいうやつよ。
デスクふ・ふ・ふ 勘違いですね。「から」は「辛」ではなく「カラ」です。瓦せんべいの中に紙に包んだ民芸おもちゃが入っていて、それが「カラカラ」なるんです。だから「からせん」。
何? 硬い? それはいかん。
何年か前、母が土産に「かたやき」をくれたのですが、「こいつは硬いで、硬いで…」ブツブツ言いながらかじるとさほど硬く感じない。オヤ~どないなってんねやろ。
そこでお願いです。「昔はムチャクチャ硬かったのに、今はそれほどでない」理由を知りたいのです。
答え(1) あごの力がいたいけな少年と50歳過ぎのおっさんでは違うから
答え(2) 歯の強さが永久歯に生え変わる前後で違うから
答え(3) 実際に昔の方が硬かったから
正解はいったいどれなんでしょう? 私としては(3)だと「大発見や~」で楽しいのですが(神戸在住、酒呑ガンちゃん)
多分正解は「あなたが年がいもなく歯が丈夫だから」ではないだろうか。子供のころ線路と電信柱以外はだいたいかめた私だが、いまはタクアンにも神経を使う。
うらやましい。ほんでもってぐやじー。
岡山県の日生で「でべら」を大量に売っていた。店の人は「トンカチでたたくと軟らかくなるよ」と言っていたが、トンカチでたたかないと食べられないものを私が買うと思うな思えば負けよ。
デスク断言 野瀬さんの負け!
野瀬 がっくし。
いやあ、びっくりしたなあ。いまその松岡力王丸さんから豊下製菓の豊下さん経由で送っていただいた満月ポンの製造現場写真を紹介しようとしていたところであった。同人からその名前が出ようとは。
でこれが満月ポンを作っているところ。米粒を熱して圧力をかけ急激に圧力を下げて膨らます「ポン菓子」というのがあるが、それと同様に空気圧を利用して膨らませているから「満月ポン」。
松岡製菓のHPの中に「どこで売ってるの?」というのがある。それを見ると全国のどこの何という店で満月ポンが買えるかすぐわかる。
ベティー隊員 満月ポン、初めて食べて納得。豊下さん、松岡さん、ありがとうございました。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
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