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せんべいとおかき、あられ いったい何が違うのか?

せんべい(5)

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NIKKEI STYLE

同人の皆さんのメールを紹介する前に、ご質問にお答えする意味も含めて少しお勉強しておきたい。せんべいとは何か。せんべいとおかき、あられはどう違うのかなどなど。

参考文献は石毛直道著『ニッポンの食卓』、清水圭一編『たべもの語源辞典』、岡田哲編『たべもの起源事典』である。

まず、日本の文献に「煎餅(せんべい)」という文字が出現するのは奈良時代。中国から伝わった。中国で煎餅(ジェンビン)は小麦粉を薄くのばして焼いた食べ物を指し「餅」は小麦粉食品のこと。従って日本に伝わった煎餅は小麦粉を使ったものだった。亀甲せんべいがそれであるという。

1712年に出た『和漢三才図絵』に出てくる製法は小麦粉に糖密を加えて練り、それを蒸して平たくのばす。適当な大きさにまとめ鉄の「皿範(かたち)」であぶる、とある。このころまでは、せんべいは小麦粉食品という本来の形を守っている。

ところが文化・文政(1804~29)期に江戸で日本人の創作による米を使った丸形の塩せんべいが流行し、江戸っ子はこちらの方を「せんべい」と呼ぶようになった。

一方関西では依然として小麦粉せんべいがせんべいであり、米せんべいを「おかき」とか「かきもち」と呼んで区別した。

現在の米せんべいはしょうゆで味付けするようになって商品化されたが、もともとは農家のくず米などを使った自家消費用であったらしい。

米せんべいが普及した時期については定説はないようで、石毛氏は「首都が東京に移ってからではないか」と書いている。

まとめると、中国から伝わった煎餅は小麦粉製品。日本の初期のせんべいも小麦粉を用いたものだった。江戸の終わりか明治にかけて関東でうるち米やもち米でつくる米せんべいが出現し主流になる。

しかし、関西は小麦粉路線を守ったので、現在の日本には米系と小麦粉系のせんべいが併存する。東の米、西の小麦粉である。

おかき、かきもちは米せんべいを指す関西の言葉であった。

では、おかきとあられはどう違うのか。『たべもの起源事典』で「あられ」を引くと「あられもちの略。かきもち・おかきともいう」とあるので、呼び方が異なるだけで同じ物ということになる。流通している商品を見ても明確な区別はつかないのである。

印象で言えば、おかき・かきもちはせんべいより小さく、あられはさらに小型で粒状に近い。

私は調べてみるまで、せんべいについて何も知らなかった。そういうことだったのね。日野さん、こんなところなんですが。

で、あられ、それもひなあられ。

ご意見 東京の「ひなあられ」に入っているピンクやミントグリーンで着色された甘いぽんせん粒は、飛鳥から平安期くらいまでの間、屋外で食べるお弁当の基本だった「干飯」の変化形です。
 まず暦の関係で3月のはじめの巳の日に「厄除け」祈願として、川で禊(みそぎ)をしたのが上巳(じょうし)の節句。それが変化し、中国で3月初めに生まれた女の子が生後まもなく死んでしまう例が相次いだため、中国故事の「桃源郷」にあるように不老長寿・魔除け作用のある桃を飾ることで女の子の無事な成長を祈った「桃の節句」。
 この二つが合体して、平安時代に女の子が遊んだ紙人形=「ひいな」を「ひとがた」として、穢れや厄を封じ込めて川に流すようになったのが雛祭りのはじまり。
 どれも、屋外で行う行事だったことから、当時は「干飯」が食されていたらしい。現在の関東地区のひなあられは、この干飯がルーツになっていると考えられています。
 これに対して、関西の小粒の硬いしょうゆ味や塩味がバラエティー豊かに入ったひなあられですが、関西地区のスーパーでよく見掛けるあられメーカー「と○すあられ」によると、「関西ではいろんな種類のあられが入っていた方がよく売れるからこうなった」らしい、という話を聞いたことがあります(西荻の怒髪天娘さん)

なんか今回はえらく勉強してるなあ。屋外行事―携帯食の干飯―小粒のひなあられ。そして関西の合理主義が生んだ「いろいろ混ざったあられ」。なるほどねえ。

ベティー隊員 ためになるなあ。ありがたいなあ。あれ、隣で寝息たててる人だーれ?

デスク急に起立! ん。ゴメン、寝ちゃった…。どーも子供のころから、「勉強」というと「居眠り」がもれなくついてくるものですから。

こんな調査をした方も。

ご意見 東京に勤務していたころに、同僚に対しておにぎりせんべい認知度調査を行ったことがあります。結果は、見事に子供のころから慣れ親しんだ関西人VS「なに、それ?」という関東人に分かれました。
 おにぎりせんべいが関東に上陸した際、東急田園都市線の車内広告で、当時広告業界で使われ始めた「ティーザー広告」の手法を使い、「○月○日、東急ストアにアイツが来る!」的な広告が打たれているのを発見し、「関東では売られていないのか」と衝撃を受けた記憶があります。
 同時期、「カール うす味」についても市場調査(単にスーパーを回っただけとも言いますが)を行いましたが、やはり関東では見あたりませんでした。最近になって、販売している店が少しずつ増えてきてはいるようです(英国在住のゴーシさん)

このような社内調査や市場調査は非常に重要である。私も東京生まれ東京育ちの同僚に「東京ではさあ、天ぷらにソースかけて食べないの?」と尋ね、一歩も二歩も引かれたのが契機となって「食の方言」採取の旅が始まったのである。

デスク、ん? ところでカールの「うす味」って何?

野瀬 髪の毛のカールしてたところが最近うすくなってきたって意味じゃないの?

デスク、ぎょっ ぼ、僕、天然パーマなんですけど…。

各地のせんべい。

ご意見 静岡ではお茶菓子に「栗せんべい」を食べます。米や小麦粉を使わないで焼いたせんべいで瓦せんべいをクッキーにした歯応えで程よい甘さです。
 甘いせんべいは普通ザラメ味ですが栗せんは餡の甘さです。栗せんの材料は白豆・砂糖・卵です。栗の形ですが栗は入ってません。普段からお茶をよく飲みますが色水のように濃いお茶がどこに行っても出るので、栗せんの甘さがちょうどよいお茶菓子です。静岡ではTV-CFも流れてます。「♪ほかさかの栗せん、茶せん♪」(富士宮やきそば学会IT推進担当 宮さん)

栗せん、茶せんの実物を送っていただいた。上のようなものである。ついでにメーカーは徳島なのになぜか静岡で売れている金ちゃんヌードルの数々も入っていた。宮さん、ありがとうございました。

ご意見 うちの会社で圧倒的な人気を誇るせんべいがあります。「おせんべいやさん」の「黒胡椒せんべい」です。埼玉県深谷市に本店があり、関東一円に直営店があるのですが、高いクオリティーを保つため、通販やデパ地下への出店はしないらしいです。
 香ばしいせんべいに黒コショウがたっぷりとかかっており、大人の味。食べ始めるととまらなくなります。ビールのつまみにもおすすめです。
 この黒コショウせんべい、今では私の会社の海外支店にまで箱で送られているんです。それというのも、日本でひたすらこれを食べ続けた人が海外赴任になって、それでも黒コショウせんべい中毒はおさまらないからです。
 私も回りに言いふらしまくって、日々、黒コショウせんべい中毒患者を増やしております(東風さん)

海外勤務者にせんべいを箱単位で送る会社はいい会社に違いない。まさか給料から天引きではないでしょうね。

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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