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積立投資に驚きの結果 購入頻度でリターンに大差なし QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2017/6/7

 投資開始時期を10年前、5年前としても、購入頻度で大きな差が付かないのは同様であり、米ドルに投資した場合も同じ状況だった。

■平均購入単価がほぼ同じになる

 積み立てリターンに差が付かないということは、平均購入単価がほぼ同じということだ。平均購入単価の推移をグラフにして確認してみよう。

 グラフBは、日経平均を2012年4月末から5年間、毎月、毎日または毎週(金曜日)、買い続けたときの平均購入単価の推移を示す。グラフからは、積み立ての頻度によらず、平均購入単価が日経平均の上昇に合わせて緩やかに上昇しながらも、ほぼ同じ動きをたどったことが分かる。

 次に実際のファンドで、積み立ての頻度を変えた場合のリターンを確認してみよう。表Cは株式、債券とREIT(不動産投資信託)を投資対象として、地域を国内、海外に区分した場合の代表的な指数連動型のインデックスファンドおよび、複数の資産でインデックス運用を行うバランス型について、5年前から積立投資したリターンをまとめたものだ。

 リターンの水準自体は各ファンドで異なるが、購入頻度ではリターンに大差がない傾向は変わらない。

■基準価格のランダム変動が主因

 購入頻度を変えても積み立てリターンに大きな差がないというのは、偶然ではなさそうだ。調べてみると、理論的な背景があった。専門的には「調和平均」という数式を使って平均購入単価を計算するのだが、考え方としては「ランダムに変動する価格の平均購入単価は、その購入間隔の影響はそれほど受けず、一定の値に収束する」ということのようだ。株価をはじめ投信の基準価格など金融商品の価格は通常、過去の動きに関係なくランダムに変動する。

 いずれにしても、長期でコツコツ投資するなら、毎日、毎週、毎月、隔月も運用成果はあまり変わらないので、頻度にこだわる必要はない。

■iDeCoの加入者にも朗報

 個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)では、毎月26日(休業日の場合は翌営業日)に掛け金が金融機関から引き落とされる(給与天引きの場合は事業主経由)。ところが、実際の投信購入日はというと、事務手続きなどの関係で26日から3週間近く後ずれし、翌月半ば過ぎになる。しかしながら、積立投資では買い付けが多少遅れても運用成果にはあまり影響しないので、気にするほどではない。

 むしろiDeCoで注意すべきは、投信などの買い付けの際に掛け金から差し引かれる口座管理手数料だ。口座管理手数料はちりも積もれば山となる。手数料が高いほど長期の複利効果による運用成果の上積み効果を減殺してしまうからだ。

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