NASA体験が刺激 甲陽学院の落ちこぼれ、全国1位に岡田光信・アストロスケールCEOが語る(上)

「何事も生徒の自主性に任せる校風だったが、規律は厳しかった」と話す

規律は厳しかった。中学時代、頭は丸刈りですし、カバンは学校が指定したカバンと、やはり学校指定の着替えなどを入れる風呂敷だけ。風呂敷片手に街中を歩くので、甲陽の生徒だとすぐにわかります。でも、規律さえ守れば、あとは生徒の自主性を尊重していました。残念ながら、当時の私には、その自主性が勉強に関してはほぼ皆無だったのです。

高校1年の時、米航空宇宙局(NASA)のスペースキャンプに参加

両親は科学者ではありませんが、「21世紀は科学の力で悩みのない世紀になる」と子供の私に言っていたのを覚えています。私のためにと、ちょうど創刊された科学雑誌「ニュートン」の定期購読もしてくれました。私自身は科学に強い興味があったわけではありませんが、せっかく父が私のためにとってくれたので、小学生のころからずっと「ニュートン」を読んでいました。ただ、読むといっても、流し読みする程度でしたが。

高1の時、いつものように「ニュートン」をめくっていたら、NASAが、全世界の子どもたちに、宇宙飛行士の疑似体験ができるプログラムを企画し、参加者を募集するという記事を見つけました。

興味を抱き、40万円ほどの参加費を親に出してもらい、参加しました。場所はアラバマ州にあるNASAの訓練施設。期間は確か2週間くらいだったと記憶しています。

初めて生で見たNASAのエンジニアは、青いジャンプスーツに身を包み、片手にコーラ、片手にバインダーを持ち、その姿が、日本から来た高校生の私にはものすごく光り輝いて見えました。

管制局という、スペースシャトルの運用を行う場所があり、そこでチームに分かれて、模擬運用をする体験は興奮そのものでした。各持ち場に分かれてヘッドホン越しにチームで会話をするのですが、スペースシャトルが故障するプログラムになっているのです。その場でチームで議論して答えを出すという経験は初めてだったかもしれません。月に人を送り込んだり、スペースシャトルを造ったり、NASAのエンジニアって天才だと思いました。そして、その時、生まれて初めて、勉強することは格好いいことだと思ったのです。

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