日経エンタテインメント!

以前、同じメンバーの高山一実は「いくちゃんはバラエティー番組に出てもヒロイン」と評した。そんな「天性のヒロイン」生田に、コゼットやジュリエットの役はぴったりだろう。しかし今後女優として本格的にやっていく上では、その可憐さ、清純さは打破すべき壁になっていくのかもしれない。

「今後どこかで、『えっ、こういう役もやるの?』とか『こんな面もあったんだ!』というような役もやってみたいです。そのために今できることは…それこそ『レミゼ』には多彩なキャラクターと多様なキャストがいるので、まずは見て勉強して。

どうしても自分の実体験ベースでは限界があるじゃないですか。そこは、人と話すことで吸収したり補っていくしかないのかな。そういう、人とのコミュニケーションをまずは大事にすることが、役の幅を広げるためのヒントかなと考えてます。あとはまだ分からない(笑)。いざそういう巡り合わせが来た時、もがくことになるんでしょうね。でも……うん。そんな未来を思い描くと、楽しみな気持ちは大きいです」

「袖から出る直前まで先輩方がハイタッチしてくださって。そういう“みんなで作り上げる” 空気があったからこそ歌い切ることができました」と生田

夢を追うひたむきな姿は、ただ幸せを待っているお姫様ではなく、戦うお姫様のイメージだ。あまりに凛として強いので思わず聞きたくなった。「もうレッスンやだ!」という日はないんですか?と。

「ありますよ~。起き上がりたくなーい!みたいな時だって。でもしばらくやってると、それにも飽きちゃうんですよね(笑)。

まだ女優の世界に足を踏み入れたばかりなので、これが続いていくかどうかは自分の力とやる気にかかっていると思います。私はやっぱり舞台に主軸を置いた女優になるのが夢なので、そのための力をもっとつけていきたいです」

日本初演から30年、2017年版『レ・ミゼラブル』
 2月末日、『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演の制作発表会見が帝国劇場にて行われた。これにはマスコミに加え、一般の観覧客も招待。総勢73名にものぼる出演者が登場し、あいさつの後、『民衆の歌』など劇中の歌曲の一部を披露。生田は独唱曲『プリュメ街』のほか、内藤大希(マリウス役)、唯月ふうか(エポニーヌ役)と共に『心は愛にあふれて』を歌唱し、喝采を集めた。また、初代エポニーヌ役で知られる島田歌穂も駆けつけたり、長年にわたって出演するベテラン俳優らが口々に意欲を語ったりと、この作品がいかに特別であるかを思わせる圧巻の会見となった。5~7月に帝国劇場、8月に福岡・博多座、9月に大阪・フェスティバルホール、9~10月に名古屋・中日劇場と全国を巡業する。

(ライター 上甲薫)

[日経エンタテインメント! 2017年6月号の記事を再構成]