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ステーキの合言葉は赤身、熟成肉 豪快にアメリカ流で

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NIKKEI STYLE

かつて、牛肉というと黒毛和牛に代表される霜降り肉こそが「おいしい肉」であり、赤身肉には「安くて硬い肉」というイメージがあったのではないだろうか。実際「A5」などといった肉の等級表示も、肉の歩留まりや脂肪の交雑具合がその判断基準になっていて、びっしりと脂肪が入った霜降りほど等級が高くなるシステムになっている。

しかし、そのトレンドが少しずつ変わり始めている。和牛なら、日本短角種に代表される、赤身ながらうまみ成分を豊富に持つ品種、輸入肉ならば、時間をかけて熟成することでうまみを引き出す熟成肉が人気を高めているのだ。

2013年、アメリカ産牛肉の輸入規制が緩和された。

アメリカらしい赤身肉が、国内に多く流通するようになり、東京・六本木には「ウルフギャング・ステーキハウス」「BLTステーキ東京」とアメリカ・ニューヨークに本拠を置くステーキチェーンが相次いで進出。さらに今年、やはりニューヨークから「ベンジャミン ステーキハウス」「エンパイア ステーキハウス」が進出することになっている。

先人の知恵、熟成肉

輸入赤身肉人気の背景になっている熟成肉は、冷蔵庫がない時代のヨーロッパで発達した。冷蔵ではなく、死後硬直した肉を洞窟や地下倉庫などに入れ、低温で保存すると、肉自身が持つ酵素の働きでタンパク質が分解され、うまみ成分であるアミノ酸が生成されるとともに肉が軟らかくなる。

しかし、流通網の発達で、肉が冷凍・冷蔵のまま貯蔵され、流通し、いちはやく店頭に並ぶようになったことで、この低温での熟成の機会が失われ、熟成が進まぬままに調理されるケースも多くなってきた。

そこで、洞窟や地下倉庫での熟成を意図的に再現する「エージング」という技法が編み出された。欧米での主流は「ドライエージング」。温度管理された冷蔵庫の中で風を当てながら時間をかけてじっくり熟成させる技法で、風味や柔らかさに優れるという。

そんな、アメリカンスタイルのドライエージングビーフが今、「霜降り好き」の日本人の舌を魅了しようとしている。

2014年2月、ニューヨークのステーキチェーンの中ではいちはやく六本木に進出した「ウルフギャング・ステーキハウス」が提供する牛肉は、アメリカ農務省が最上級の品質と認定した「プライムグレード」だ。同グレードに認定されるのは、全米に流通する牛肉の数パーセントほどでしかないという。そんな希少な牛肉を、常時5~6トン在庫している。

骨付きの状態で熟成が進むため、カットはせず、塊のまま空輸し、店内の専用熟成庫で28日を目安にゆっくりとドライエージングして熟成させる。

広い熟成庫には、熟成期間に入った肉が時系列で並べられている。食べごろの熟成肉が提供されると、入れ替わりに新たな肉が熟成に入るしくみだ。

Tボーンのプライムステーキ

看板メニューの「プライムステーキ」をいただこう。T型の骨を挟んでヒレとサーロインがダブルで食べられる「Tボーン」と呼ばれる部位で、これならおいしいところをいっぺんに味わうことができる。価格は、2人用で16000円(税・サービス別)から。

熟成庫から出された肉はまず厚切りにカットされ、900度まで温度が上がる特注のオーブンで約1分下焼きされる。これで表面をカリッと、中を肉汁たっぷりに焼き上げる。

いったん火から下ろしたら、食べやすい大きさにカット。

その間に、オーブンでは溶かしバターを高温で熱して香りを引き出す。熱々に沸騰した皿のバターにカットした肉を移したら、再びオーブンへ。

肉の断面から滴る肉汁とバターが一体となり、極上のソースができあがる。泡を立てて沸騰するバターそのままに、皿はテーブルへと運ばれて来る。

まずは、ヒレとサーロインを一切れずつ皿に盛ってもらう。アメリカらしくソースはつけない。肉汁を蓄えた熱々の溶かしバターだけで十分においしい。

ヒレではすっと切れていく歯触りを楽しみ、サーロインではうまみを噛みしめる。赤身肉ながら柔らかな歯触りと豊かな味わいは、さすが熟成肉だ。

肉そのもののうまみが強いので、少し食べるならソースは不要だろう。好みで使えるよう、テーブルには塩こしょうも用意されていたが、手は伸びなかった。

しかし、今回は肉の量が「アメリカンサイズ」。ボリューム満点だ。おいしいとは思いつつ、途中で味を変えたくなった。

そんなときにはオニオンとトマトのステーキソースをかけて食べる。トマトの酸味が、口の中をリフレッシュしてくれる。注文すればわさびじょうゆも用意してくれるそうだ。

皿の上の肉は適度な大きさにカットされていて、それを手元の皿に移して食べ進むのだが、どうにも気になるものがあった。皿の上に残された骨「Tボーン」だ。骨の周りには明らかに多くの肉がこびりついている。

骨付きカルビのおいしさを知っている人なら、このまま席を立つのは困難だろう。ナイフで骨回りの肉をそぎ取りながら食べる。思った通り、独特の強いうまみがある。ナイフでは上手に肉を削ぎ取るのが難しく、骨を手に持ってかぶりつきたくなるほどだった。

熟成肉をおいしく、楽しく

「ウルフギャング・ステーキハウス」では、こうした熟成肉の魅力をさらに広めるべく、現在イベントを開催中だ。

企画の一つ「あなたのお肉がオーブンで焼かれてテーブルに運ばれるまでを実況生中継」は、店内のテーブルに置かれたタブレット端末で、客席とキッチンとを結び、ライブ中継。シェフが、実際に調理しながら熟成のしくみや肉の焼き方のノウハウを、客席からの質問にも答えながら解説してくれる。

6月2日、16日、30日、7月14日、28日のそれぞれ金曜日、各日限定3組の完全予約制で実施する。

また、6月17日土曜日には「ウルフギャング・ズウィナー氏生誕祭」も開催する。ニューヨークから、同店創業者が誕生日を記念して来日、来店者のテーブルを回って食事を楽しむというもの。六本木店だけでなく、丸の内(16日・金)、大阪(19日・月)福岡(21日・水)の各店でも開催する。

牛肉の魅力は、とろけるような食感や脂の甘さだけではない。赤身肉、熟成肉の噛みしめるうまみもぜひ体験してみてほしい。

(渡辺智哉)

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