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「グルテンフリー・ダイエット」の大誤解

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テニスのノバク・ジョコビッチ選手など、海外のアスリートたちが取り入れて話題になり、日本でも耳にするようになった食事法「グルテンフリー」。最近ではグルテンフリー対応の食品やレストランもちらほら見かけるようになったが、そもそもグルテンフリーはどんなもので、どんな人に向くのだろうか? 治療の現場で患者にグルテンフリーを勧めることもあるスクエアクリニック(川崎市)の本間良子院長に聞いた。

グルテンフリーは減量法や健康法ではない

グルテンとは小麦やライ麦、大麦などに含まれる、粘り気のもとになるたんぱく質のこと。パンやパスタ、うどんのほか、カレーのルウやホワイトソース、ケーキやクッキーといった洋菓子など、小麦などを使った食品や料理に含まれる。このグルテンに対して過敏に反応する人がいて、グルテンがそうした人たちの慢性的な疲れや不調の原因になっていることが分かってきた。そこで登場した、グルテンを避ける食事法(英語でダイエット)がグルテンフリーだ。

「グルテンフリー・ダイエット」などと言われるため、やせることを目的とした減量法と誤解している人も多いようだが、そうではない。また、欧米のモデルやセレブなどが不調改善や体形維持などのために取り入れていることなどから健康法の一つと思っている人も多いが、健康な人が実践して何らかの効果があるという科学的根拠はない。

「セリアック病」や「グルテン不耐症」のための食事法

そもそも欧米でグルテンフリーが広がったのは、グルテンに対する過敏症を介して生じる自己免疫疾患「セリアック病」の治療法として知られたことがきっかけだ。米国ではセリアック病患者は約300万人、133人に1人が患者といわれている[注1]。セリアック病はグルテンをとることで小腸の免疫システムが反応して炎症を起こし、自らの腸壁を破壊して消化・吸収不良を起こす病気で、遺伝的な要因が大きいとされている。

本間院長によると、グルテンが原因となって引き起こされる症状には、ほかに「グルテン過敏症」「グルテン不耐症」などがある。グルテン過敏症はグルテンに対するアレルギー反応。グルテン不耐症はグルテンを消化する酵素が不足するか、十分に機能していない状態のこと。グルテン過敏症や不耐症の人がグルテンをとると、小腸の粘膜が炎症を起こす(過敏症)、あるいは消化異常で体が必要とする栄養素が十分に吸収されにくくなる(不耐症)ために、様々な不調の原因となるという。

[注1]NCDD_04272009_ResearchPlan_DiseasesofStomachSmallIntestine.pdf

腸は消化、吸収、排せつ、免疫など多くの働きを担うため、炎症や消化異常を起こすと、様々な症状が現れる。

「セリアック病やグルテン過敏症・不耐症の症状は似ており、いずれも、腹部膨満感や、便秘、下痢、腹痛などの胃腸障害のほか、栄養失調、貧血など、様々な症状をきたします。さらに腸の炎症は、各種ホルモンをつくる副腎にも悪影響を与えます。体内で炎症が起きると、副腎は炎症を抑えるためにコルチゾールというホルモンを大量に出し続けますが、それにより副腎が疲れてしまう。すると副腎のホルモン分泌がうまくいかなくなり、慢性的な疲労や抑うつ症状、片頭痛、PMS(月経前症候群)や更年期障害といった不調が出やすくなると考えられます」(本間院長)

「グルテンに過敏に反応する故にこうした症状が出ている人であれば、グルテンを抜くことで、腸の炎症が抑えられ改善につながる」と本間院長は言う。

気になる人は3週間グルテンを抜いて反応を見る

では、自分がグルテンに過敏な体質かどうかを知るにはどうすればいいか。

本間院長によると、セリアック病については消化器内科で、予備診断としての自己抗体検査(血液検査)や、腸の生検を行うことで診断できる。「ただし、セリアック病を治療対象としている病院は少ないので、受診する前に電話などで確認する必要があります。また、自費診療でセリアック病になりやすいかどうかを調べる遺伝子検査を行っているクリニックもあります」(本間院長)

グルテン過敏症・不耐症については、確定診断の方法はないという。「過敏症の可能性があるかどうかという範囲で調べられるIgG抗体検査はありますが、現状、100%の感度[注2]と特異度[注3]を持った検査ではありません[注4]」(本間院長)

そこで、本間院長は、「グルテンが原因と思われる不調がある人は、一定期間グルテンを抜いてみるといい」と勧める。「まずは3週間を目安に試して、体調の変化を見るといいでしょう。悩んでいた症状がそれにより改善されれば、グルテンが原因だったと推測できます」

ただし、グルテンフリーについては、多くの場合小麦食品などをばっさり排除することになるため、栄養バランスの偏りを招きやすく、健康上のリスクがあるとの指摘もある。自己判断で長期間継続して行うことは避け、必ず医師の指導のもと行う必要がある。

[注2]感度:陽性のものを正しく陽性と判定する確率。感度が高いと、見落とし(偽陰性)が少ない。

[注3]特異度:陰性のものを正しく陰性と判定する確率。特異度が高いと、過剰診断(偽陽性)が少ない。

[注4]日本アレルギー学会では、食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見解として発表している。

本間良子さん
 スクエアクリニック(川崎市)院長。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。同大学病院総合診療内科入局。日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。専門は、内科、皮膚科。共著に『自分で治す! 副腎疲労』(洋泉社)など。

(ライター 渡辺満樹子、プロフィール写真 村田わかな)

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