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ギターデュオの生む滋味と生気 ヒダルゴ&リボウ

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NIKKEI STYLE

チカーノ(メキシコ系アメリカ人)・ロックバンドの最高峰「ロス・ロボス」のデイヴィッド・ヒダルゴ。そしてニューヨークのボーダーレス音楽界を根城に、好奇心旺盛に様々な表現を繰り広げているマーク・リボウ。その2人の来日公演を見た。

どちらかが思いつくようにギターを弾き出し、もうひとりがその隙間を補うようにギターを加える。「この曲はどうだい?」「ああ、高校の頃よく弾いていたけど、俺はこんな弾き方をするんだ」「なら、僕はこんな歌い方をするよ」。そんな会話がなされているかのように、2人は笑みとともに歩調を合わせる。すると、彼らの半径1.5メートルで交わされる所作はどんどん味わいと質量感を増し、その温(ぬく)もりや滋味は生気とともに客席側に広がっていく。そして、会場はどんどん熱を帯びる。

2人は2010年からデュオやバンドでライブ活動を行ってきており、そのやりとりはとても自然。ともに歌と、アコースティックギターやエレクトリックギターを手に取り演奏する。リードボーカルはそれぞれ交互にとり、一緒に歌う場面もあった。

 ヒダルゴが住む米国西海岸とリボウが拠点とする東海岸、様々な属性を持つ楽曲群、流儀の異なるギター奏法、ロックやジャズやフォークといった様々音楽性が、このデュオ演奏には存在し、綱引きされる。そのさまは、いい意味でデコボコ。だが、それがなんともおおらかで、心地よい。そして、ひいてはアメリカン・ミュージックがそうした様々な要素を受けてとめてダイナミックに形作られてきた事実を、彼らは浮かび上がらせる。いろんなものが共存し、混じり合っていた方がいいじゃないか。2人はそんな心持ちを、米国音楽が抱える闊達さやしなやかさを介して表出していた。

ヒダルゴはこれまでボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ライ・クーダー、G・ラヴ、トム・ウェイツ、ハービー・ハンコック、リッキー・リー・ジョーンズ、ジョン・リー・フッカー、ポール・サイモン、オゾマトリらのアルバムに客演。一方のリボウはエルヴィス・コステロ、トム・ウェイツ、ダイアナ・クラール、ベック、マデリン・ペルー、ノラ・ジョーンズ、デイヴィッド・サンボーン、チボ・マット、マリアンヌ・フェイスフルらの表現を助けてきた。

かように2人は、まことプロたちに支持されるミュージシャンズミュージシャン。それが両者最大の共通点といえるだろう。加えて彼ら自身のバンド作品やリーダー作品を聞けば、いかにヒダルゴとリボウが過去積み上げられてきたアメリカンミュージックの幅広さや豊穣(ほうじょう)さを自分なりに体現してきているかも分かり、それが同業者にアピールしている理由であるのも分かる。

そんな彼らが披露するのは、これまでの音楽人生で出合ってきた曲群。カントリーなど白人のアメリカンソングや伝承曲、ソウルやブルース、ロス・ロボスの曲、はてはラテンやイタリアの曲までを、2人は悠々と繰り出す。アンコールではマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」を披露した。1971年に発表された、とてもヒューマニティーあふれる著名反戦歌だ。その慈しみに満ちた曲目に接し、このデュオ公演に貫かれていたのは現況を憂いての異議や反骨であることを多くの人は強く感じ取ったのではないか。たかが音楽、されど音楽……。ベテランの2人は、そんな気概もあらわにしていた。5月18日、渋谷・クラブクアトロ。

(音楽評論家 佐藤英輔)

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