佳奈 ありがとう。じゃ、ちょっと待っててね……っと、はい、完了。

智也 うおっ、相変わらず仕事早いね。

佳奈 さて、シミュレーションの結果だけど……残念ながら、このままだと7年後に智也くんの家計は破綻するわね。

智也 えっ!

佳奈 家計を立て直すには、いずれ奥様にも働いてもらう必要があるわね。詳しく見ていきましょう。

年収150万円のパートで82歳まで安泰

佳奈 まず、このまま智也くんの収入だけで生活を続けた場合を見てみましょう。今年度の智也くんの手取り年収は約423万4500円で、年間支出は約535万6000円。結果、年間収支は112万円の赤字になるわね。さらに今後5年間、毎年の赤字は95万~150万円ほどになるの。7年後(42歳)の時点で貯蓄はマイナスに転じて、家計が回らなくなるわ。

図2 妻退職後、智也さん(年収496万円)だけが働く場合の生涯収支。子供2人はすべて国公立系の学校に進学するとした。なお収入には児童手当(子ども手当)を加えた
図3 智也さん1人が働いた場合の金融資産の推移。7年後、42歳の時点で資産がマイナスに転じ、家計が破綻する

智也 いや、確かに毎月赤字だなとは思っていたけど……。本当にまずい状況なんだな。

佳奈 奥様は、もう一度働きに出るつもりはあるの?

智也 うん、何年かして、2人目の子供が落ち着いたらとは言ってる。とはいえ、まだ子供も小さいからフルタイムは厳しいかもしれないな。

佳奈 分かった。ひとまず5年後にパートに出るパターンと、再就職するパターンでシミュレートしてみるね……っと、こんな感じかな。まずは配偶者控除の範囲内でパートに出た場合を見てみましょうか。

智也 いわゆる「103万円の壁」以内で働くってパターンだね。確か妻のパート収入が103万円以下なら、僕の収入から38万円を控除してもらえるんだっけ。

佳奈 2017年時点ではそうなんだけど、2018年1月からは配偶者特別控除の仕組みが見直されて、上限が150万円に引き上げられるの(関連記事:パート主婦の壁 手取り回復できる年収は125万円)。なので今回は、奥様が150万円稼ぐパターンでシミュレートしてみたわ。月に直すと12万5000円ね。仮に時給が1000円で月に22日働くとすると、1日当たりの勤務時間は5.7時間になるわ。

図4 妻がパートで年間150万円を稼いだ場合の生涯収支(5年後に働き始めた場合)
図5 妻がパートに出て年間150万円を稼いだ場合の金融資産の推移。82歳まで金融資産は黒字に

智也 彼女が働きに出ると、年間収支が46万~70万円ほど黒字になるんだね。僕が60歳時点での金融資産は4315万円で、82歳までは黒字をキープできるのか。うん、これなら行けそうだ!

佳奈 1人目のお子さんが高校2年生になって塾に通うようになると、年間収支は最大で50万円ほどの赤字になるんだけど、それまでの蓄えでカバーできる計算ね。ちなみにお子さんは2人とも、高校2~3年の間は塾に通うと想定(年間80万円の支出)。あと、小学校から大学まではすべて国公立に入るとしたわ。

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再就職できれば退職時点で7100万円