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パーティーバッグは持ち方が命 印象操るテクニック

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

ハンドバッグやクラッチバッグは見た目の「形」が話題になりがちですが、実は「持ち方」も見逃せません。おしゃれ上手な人は同じバッグでもさりげなく持ち方を変えて、表情を変化させています。パリの老舗ブランド「Dior(ディオール)」が東京・銀座で開催した、2017年春夏 オートクチュール コレクションのショーには日本を代表するファッションモデルが集まり、さすがのバッグ使いを披露しました。

クラッチバッグでレディームード

華やいだ場面でのスタンダードといえるクラッチバッグですが、持ち方次第で着こなしの雰囲気まで様変わりします。水原希子さんは四角いクラッチをチョイス。ミステリアスな図柄を隠さないように片手でホールドしています。端のあたりをつかんで、珍しい角張り感を引き出しています。

割と厚みのあるクラッチを選んだのは、松島花さん。バッグの上のほうから両手の指先でつまむように持ち、特有の量感を印象づけています。バッグの厚みが指の細さを引き立てています。こういう「つまみ持ち」は今回のような上品系ドレスにマッチします。

手を差し込んで軽快に

近ごろ人気が高まっている新顔バッグに、手を差し込んで持てるストラップやハンドループ付きのタイプがあります。ホールドの安定感が高まるのに加え、バッグと手が一体化したかのような軽快感が生まれます。国木田彩良さんは黒革のストラップに手を通し、小ぶりなバッグの底に指先を当てています。ストラップがまるで手首に巻いたアクセサリーのように見えます。

秋元梢さんは真っ赤なバッグを選び、やはりストラップに手を通しています。服は白いスリーブレストップスに黒のクロップトパンツという、比較的コンパクトな装い。そこにバッグの赤が絶好の「差し色」効果を発揮。手を通せるタイプはボディーに重ねて携えやすいので、自然にビビッドカラーを着こなしに取り込めます。

手提げタイプでクラシカルに

オーソドックスな手提げタイプのハンドバッグも持ち方を工夫すれば、パーティーシーンを華やがせてくれます。山田優さんはスモールサイズのバッグを、指先に引っ掛けるような格好で提げています。軽くて小さいミニバッグだから、指2本だけでも支えることができます。手が開いた状態で持てるので、腕全体が伸びやかに映ります。

emma(エマ)さんは「ディオール」のアイコン的バッグ「LADY DIOR」を両手持ちにしました。ハンドルを両手で持つと、淑女テイストを醸し出せます。クラシカルなシルエットのウエアとしっくり調和。シックな色調の服にバッグの赤が女っぽさを寄り添わせました。ボディーの正面でホールドすれば、バッグを着こなしのムードメーカーに位置づけられます。

肩掛けでロングシルエットに

ショルダーストラップを備えたバッグを肩に掛けると、ストラップが視線を縦方向に引き込んで、全体にスレンダーなイメージが漂います。三吉彩花さんはホワイト系のレーシーなドレスの上から、ブラックのバッグを肩掛けでオン。黒いレザーが着姿を引き締めています。さらに、ゴールドのチェーンがゴージャス感も添えました。首に巻いたチョーカーとも絶妙に響き合っています。

鈴木えみさんはロングチェーンのバッグを肩から掛けました。細く長いゴールドチェーンがあでやかでリッチな雰囲気を引き寄せています。ハート形のバッグ自体も程よく主張を帯びていて、晴れ舞台にふさわしい見栄え。シックな黒革ルックとの相性も申し分ありません。チェーンの長さが縦落ちイメージを強調。裾丈の長いウエアとの相乗効果で、さらに縦長感が出ています。

ストラップ持ちで動きを演出

最後にご紹介するのは、着姿に動きをプラスしてくれる新顔テクニックです。新木優子さんはチェーン付きバッグの持ち手部分をあえてフルに伸ばさないで、折り曲げた状態でチェーンをつかんでいます。指先に引っ掛けたような持ち方で、バッグを割と低い位置でホールド。意外性のある持ち方が装いに若々しさやアクティブ感をもたらしました。赤いスカートと黒いバッグのコンビネーションも際立っています。

レオパード柄のアウターを羽織った松井愛莉さんは、肩に掛けられる長さのストラップをほぼ半分の長さに縮めて手に持ちました。余ったストラップが自然に遊んで、別の表情が生まれています。肩掛けにすると、居場所が決まってしまいますが、手に持てば自在にポジションできます。持つ位置次第で見え具合が変わり、いくつもの操り方を試せます。ストラップを手首に巻いたり、腕を曲げて高い位置でホールドしたりすることもできます。

これだけのトップモデルが顔をそろえたのは、話題の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」内に新ブティック「House of Dior Ginza(ハウス オブ ディオール ギンザ)」がオープンしたのに合わせた特別なイベントだったから。本来はパリで限られた招待客だけにお披露目されるコレクションを日本で見ることができる機会はめったにありません。来場したモデルのみなさんは2017年春夏プレタポルテや2017フォール コレクションに身を包んで、ラグジュアリーブランドならではの装いを印象づけていました。

使い慣れたバッグでも、持ち方や提げ方をアレンジするだけで、着こなしのアクセントになります。底に指先を添えるような、ちょっとしたしぐさでも丁寧な人柄のイメージが伝わるので、これまでの持ち方を見直してみてはいかがでしょう。

[画像協力]

Dior http://www.dior.com/

宮田理江
 ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした消費者目線での解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。

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