2017/5/31

馬渕 家計簿をつけることも大事ですよね。私の友達のFPで、自己破産した方の生活再建を専門としている方がいます。そのFPはまず、家計簿をつけてもらうと言います。自分がどのくらい使い、いくら収入が入ってくるのか、把握していない人が結構いるそうです。基本的なことですが、それだけですごく違うと。

岡本 あとはバランスシートですね。

竹川美奈子さん

竹川 そうですね。年に1回、作っていただきたいです。これはわが家の資産(金融資産と固定資産)と負債、資産から負債を差し引いた純資産を把握するためのものです。リタイアするまでに金融資産を積み上げて負債を圧縮し、大きくて健全なバランスシートを築いていくのが目標になります。簡易なものでかまわないので、バランスシートを作ってみると、「住宅ローンを早く返したほうが良いな」といった判断材料になります。

岡本 それはまさに、資産運用と言うときの「資産」の部分なんですよ。持っている個別の銘柄が上がるか下がるかは二義的な問題であって、全体がどう増えているか、あるいは減っているのかを確認することが大事なんですよね。本当に大切なのだけど、あまりみんなが行っていないのが財産の棚卸しです。金融機関ごとの投資対象を資産クラスごとに組み替えてみる。そうするといろいろなことがわかってきます。

竹川 知り合いの税理士が、「会社を経営していくことは、純資産を長期的にどんどん増やしていく作業なんだ」と言っていました。個人も基本は一緒です。リタイアまでには健全なバランスシートを作ることを目標に、1年1年バランスシートを作っていきたいですね。

レコーディングダイエットというのがはやりましたね。体重を書いたからやせるわけではありませんが、書くことで反省したり、食事のバランスを考えたりすることで、改善するから結果的にやせるんでしょうね。

岡本 グラフを書くと、もっとやせるよ。できれば移動平均線も入れて、デッドクロスやゴールデンクロスをチェックする(笑)。

竹川 え、そうなんですか!?(笑)バランスシートも、Excelでグラフ化するように勧めているんですよ。そうすると、大きさが意識できますから。

DCとNISAをどう活用するか

――投資の非課税制度、DC(確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)はどう使い分ければいいでしょうか。

大江 DCは老後の資産作りにしか使えません。将来、家を建てるためということには使えないわけですよね。ということは、どうしたって長期の運用にならざるをえません。

NISAは価格が上がれば3カ月で売ってもいいわけですが、DCは途中でお金を引き出すことができないため、60歳までの20年、30年という長期の運用になります。長期運用は先が読めないわけですから、ある程度、分散しておく必要があります。長期投資で分散するとしたら、私は、期待リターンが高いもので運用することが正しいと思います。DCで定期預金のような元本確保型商品を選択するのはもったいない。定期預金自体が悪いわけではなくて、今のように金利が低いときは、わざわざDCを使わなくても、ふつうの課税口座を使えばいいでしょう。つまり、期待リターンが高くプラスが出る可能性の高い商品ほどDCを使ったほうが良い、というのが私の考えです。

NISAは、定期預金のような貯蓄型商品は使えません。その人の考え方次第で、株でも、ETF(上場投資信託)でも、バランス型投信でも良い。それぞれ一長一短がありますから、これが絶対というものはないと思います。

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